書く人・紺の短篇作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
11月26日  摩耶山上で即興創作4作品
去る11月21日、
いつものごとく摩耶山リュックサックマーケットに参加して、即興物語屋として出店してまいりました!

091121即興看板


テーマは「忘れ物」
作品の書き出しにもなる言葉です。


この日のリュックはすごい人・ヒト・人…………。
091121摩耶山リュック


とはいえ、即興創作屋は「何を売ってるのかわからん」風情なので(笑)、お客さんはなかなか来ません。
が、しばらくすると、前回ご来店のTさんがお買い上げ♪
最初の作品を原稿用紙に書き始めると、だんだんと足をとめたり、声をかけてくださったり、お買い上げいただくお客さまが!


あ、それから、今回は寒さとの闘いでした。笑


終盤、曇りはじめると寒くて手がかじかんで。。。
革手袋したまま、書いてましたが、ヘタレな字になってました。笑
原稿用紙でお持ち帰りいただいたお客さま、字が汚くなってしまったことをお詫びします〜。汗


さて以下、「忘れ物」の4作品。
お客さまの持ち物も様々です。

即興MENU2-009「ガラスのコップ」
即興MENU2-010「チェブラーシカのポシェット」
即興MENU2-011「銀の時計」
即興MENU2-012「マカロンのストラップ」



摩耶山リュックサックマーケットは、来月からは冬休み。
11月が年内最終でした。
次は3月のリュックサックマーケットで物語屋を出店したいと思います。
ブログはぼちぼちと更新していきます。
夢ネタもたまってきましたので。w

愛着が湧いてなかなか最終回を書けないでいる「即興TOWN AtoZ」年内に「Z」を書いて一旦終えたいと思っています。

のんびりとおつきあいくださいませ♪
11月25日  即興MENU#2-012「マカロンのストラップ」
即興2-12_マカロンのストラップ

 忘れ物なのか、置いていったものなのか、よく分からなかったが、授業が終わったあとにふと隣の机を見ると、ストラップが一つ、置き去りにされていた。

 フェルトで作ったチョコレート色のマカロンだ、と思った。

 かわいいなぁ、そういえば隣って誰も座ってなかったし、もらっちゃおうかなぁ。
 そう思った時には、手に持って、自分のカバンにつけてしまっていた。何となく、誰かが私にくれたもののような気がした。
 持ち主があらわれたら、返せばいいや。私は教室を出ると次の講義に向かった。
 
           * * * * *

 帰り道、小腹がすいたなぁと思いつつ、ちょっぴり金欠で、何か買うのには二の足をふんでいた。

 コンビニの前で悩んでいると、鼻先にふわっと甘い香りがただよってきた。
 てっきり店の商品かと思いきや、香りの元は私のカバンで、何とあのストラップからである。

 あまりにいい香りで、私はついその飾りのマカロンを顔に近づけると、勢い余って口に入れてしまった。

 あ。

 驚いてその場から動けなくなった。
 いつのまにか本物のマカロンになっていたのである。
 やはりこれは私のためのストラップだったのかも。そう思った。
 
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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「忘れ物」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “忘れ物”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…物々交換で出題された女性
[お題]…マカロンのストラップ
[創作日]…2009年11月21日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


お代としてお題の「マカロンのストラップ」をいただいて作りました。
最終的に「食べる」というオチになったのは、私のお腹がすいていたからかもしれません………。笑
現場で撮影した時はビニル袋入りだったのですが、やっぱり出した方が雰囲気に合うかも、と思い、帰宅後袋から出して再度撮影しました。

お買い上げいただいたお客さま、時間の関係で(終盤、寒すぎたこともあり、書くのに時間がかかってしまいました…)、作品を現場で読んでいただくことができていません。ブログのアドレスをきちんとお伝えしていないと思うので、こちらのページにたどり着いてご覧いただけるかとても気になっているのですが…。
読んでいただけましたか〜〜〜???

ちなみに、マカロンのストラップは、お気に入りのがまぐち(摩耶山リュックサックマーケット専用のお財布♡)に付けています♪
11月25日  即興MENU#2-011「銀の時計」
即興2-11_銀色の時計

 忘れ物が紛れこんでしまったのだろうか。
 荷物の中に見なれない銀の腕時計が一つ。
 小雨がふりだしたのであわててフリマのかたづけをした時に、まざってしまったのかもしれない。

 イベント事務局を通して、隣で出店していた人に連絡をとってもらった。
 しかしその人の返答は、仕入れの時にまざりこんできたもので、売り物というつもりでもなく商品の横に置いていたのだけど、結局売れなかったし、自分の好みのデザインでもないので、よければそちらでもらって下さい、というものだった。

 思いがけず手に入ったその時計の仕様は、とても私好みだったので、ありがたく使わせてもらうことにした。

           * * * * *

 故障することもなく、長い間、私の腕にはまっていた銀の時計は、ある日、突然ぴたりと止まった。
 二時十六分四十秒をさしたまま、電池を入れ替えても、もう動くことはなく、仕方なく、しばらく腕時計なしの生活になるなと思った。

 でもそれは、長くは続かなかった。

           * * * * *

 数日後に、彼から渡されたクリスマスプレゼントは腕時計で、その色・形は、やはり私の好みにぴったりのものだったからである。

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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「忘れ物」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “忘れ物”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…初来店の女性
[お題]…銀の時計
[創作日]…2009年11月21日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


途中で展開や表現をわりと悩んで出来上がった作品です。「忘れ物が自分のものになる」という設定がなかなか難しく…。
オチとしては、未来から来た自分自身の時計だった、というパターンも最初思いついたのですが、それまでの出来事や設定を原稿用紙1枚じゃとても書けないなぁ〜と気づいて(笑)やめました。
最終的には、時計を止めて、物が壊れる時には意味がある、というオチにしようと決めたので、撮影時の腕時計の時間もそのまま使わせていただきました。
11月25日  即興MENU#2-010「チェブラーシカのポシェット」
即興2-10_チェブラーシカ

 忘れ物をしたのは、小さな子どもか女性かな、と館長は思った。

           * * * * *

 まちの小さな文化会館。そこのホールで映画上映会が終わったあとに、見つかったものだった。
 上映されたのはチェブラーシカという動物が主人公のアニメーションで、忘れ物はそのキャラクターを模したポシェットだったのである。

 そのアニメについて、年配の館長は全く知識がなかったが、客層は親子と若い女性が大半を占めていたので、こういったキャラクターものを持つなら、子供か女性であろうと予想した。

 それにしても、と館長はそのポシェットを手に持ちながら考えた。

 この中身は何なのだろう。

 何か小さくてかたいものが、みっちり詰まっていて、じゃらじゃらと音がした。小銭ほどには重くない。

           * * * * *

 謎はほどなく明らかになった。持ち主が会館にやってきたのだ。
 母親に連れられて来た少女は、お気に入りのポシェットが戻ってきて本当にうれしそうだ。裏についたファスナーをあけると、たくさんのカラフルなボタンの中から、鮮やかな青色のボタンを一つ、館長に、お礼として渡した。

 少女の大切なコレクションの一つ。彼はずっとそれを宝物にしている。

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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「忘れ物」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “忘れ物”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…お向かいで出店されていた2人組の女性の一人
[お題]…チェブラーシカのポシェット
[創作日]…2009年11月21日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


チェブラーシカ。実は私あんまりよく(内容を)知りません。笑
あのキャラはあちこちで見かけるし、もやーんとロシアのアニメ(正確には絵本がアニメ化されたそうです)であることや、最近JR西日本のマナー広告に登場していることは知っているのですが、それ以外はホントに何も知らないので、できるだけチェブラーシカ本体を深く掘り下げないお話で進めました。笑
かわいいポシェットを見ていたら何か大事なものを集める容れ物に見えてきたので、子どものコレクション癖をオチ?にした作品に。
そういえば、私もボタン集めてる子どもでした…(^^;
11月25日  即興MENU#2-009「ガラスのコップ」
即興2-09_ガラスのコップ

 忘れ物、のようだ。
 カウンターの隅にポツンと置き去りにされた空のグラスは、うちの店で使っているものでは、明らかに、ない。
 小ぶりの、いかにもガラスのコップである、というシンプルなグラス。
 しかし、どのお客の忘れ物なのかがさっぱり分からないので、そのままあずかっておくことにした。
 
           * * * * *

 翌日、グラスの下の方に、ぐるりと一周、黄色い模様があらわれた。昨日までなかったはずなのに、と、私はいぶかしく思ったが、どうすることもできずそのまま放っておいた。

 次の日は赤い模様が、その次の日はまた違う模様が、最初の黄色い模様の上の段、上の段にあらわれ、柄がふえていった。
 その頃にはもう仕組みがどうなっているのかなんて、どうでもよくて、次に何があらわれるかを楽しみにするようになった。
 
           * * * * *

 一週間ほど経った時、グラスの中に赤い液体が出現した。
 ほどなく一人の男性客がやってきて、グラスの持ち主であると告げた。

「大切にあずかっていただいた、お礼に、ぜひ」

 客はグラスの中の液体を半分、別のグラスについだ。
 赤ワインのよい香りがした。

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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

【作品DATA】

本日の創作メニューは「忘れ物」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “忘れ物”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…2回目のご来店、Tさん(男性)
[お題]…ガラスのコップ
[創作日]…2009年11月21日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


「今日はこれで」と差し出されたキュートなグラスはお客さまがリュックサックマーケットで使っておられたマイグラス。
この柄を活かさない手はないな、と、模様が毎日積み重なってあらわれる不思議なグラスが誕生しました(^^)
ちなみに、お客さまが直前に飲まれていたのが「赤ワイン」と聞いていたのでこの結末です。即興創作は、いつもお客さまとの対話で紡がれていきます。
そういうトコが私にはとっても心地よかったりします。w
11月20日  即興MENU#特別編「黄昏色」
即興2-sp1_黄昏色

 風が吹いた。アロマポットのキャンドルの灯が、ゆらりゆらりとゆれ、そのアロマオイルは効能を発揮しはじめた。
 
           * * * * *

 空き店舗になっていた小さな建物に、アロマオイルのショップがいつのまにかできていて、そこで私はこのオイルに出会ったのである。

 店のオーナーは少し年配の女性で、私がいろいろな香りを店頭でためしていると、すみの方の小ビンをさし出して、

「これがおすすめですよ。
 きっとあなたが求めておられるものに出会えると思います」

と占い師のような言葉を発した。
 アロマの知識も大してもちあわせていなかったので、言われるままそのオイルを買い、休みの日にようやく使ってみたのだった。

 風にのって、なんだか不思議な香りが部屋中に広がりはじめた。同時に辺りはゆっくりと明るさを落としはじめる。
 
           * * * * *

 気づくと私は河原にいた。土手の上から私を呼ぶなつかしい声がした。
 日がくれはじめて、はっきりは見えないけれど、それは幼い頃に亡くなった母に違いなかった。

 オイルの名は「黄昏色」。
 黄昏色に包まれた母は、手を振っている。私もけんめいに振り返した。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「風が吹いた」
 お客さまの選んだ材料(=お題)で、
 “風が吹いた”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。



今回は特別編です。

摩耶山リュックサックマーケットで、ご来店いただいたお客さまから、後日このブログを通して、「黄昏色」というお題の作品を、とリクエストをいただきました。
お客さまも同じく「黄昏色」という作品を書いているところだとか。

同じお題が、それぞれどんな風に化けるのか、とても興味深いと思いましたので、書かせていただきました。
風景をよみがえらせる、ちょっぴり不思議なアロマオイルのお話でした。
いかがでしたか?

11月は仕事が多忙だったりいろいろで、なかなかアップすることができませんでした。遅くなってごめんなさい。
ようやくお披露目できましたので、よろしければ、お客さまの作品も読ませていただけませんか?(^^)



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明日11/21(土)11時〜は摩耶山リュックサックマーケットです。
年内は最後になる摩耶山リュック。(春までお休み)
私も昼すぎくらいにぼちぼちと出向こうかな〜と思っております!
10月28日  三余・三上
本日10/28付の朝日新聞朝刊の天声人語で読書がテーマになっていて、その関連で、中国の言葉「三余」と「三上」が紹介されていました。

三余は、読書するのに適した三つの余暇で、「冬」「夜」「雨の日」をさし、

三上は、文を練るのに適した三つの場所で、「馬上」「枕上」「厠上」をさすとのこと。




特に「三上」には、なるほどなぁと思います。

馬上=馬の上、馬に乗って移動中の時
まあ現在で言うなら、車や電車での移動中とかそんな感じでしょうか。
電車の中でアイデアが浮かぶこと、多々あります。まわりに人がいて、結構ざわざわしていて、車内放送などもあって決して静かではないのに、それがいい刺激になるらしく。家で一人で静かに、という時より、喫茶店で他人の雑談に紛れている時の方が集中できたりするんですよね。不思議。笑
あと、何かに乗ってなくても、歩いている時にパッと書き出しや情景が浮かぶことも多々。そういう時は、携帯電話を使ってメモしてます(^^)


枕上=寝床
布団に入ってしばらくすると、もやもやもや〜っといろんな考えが浮かんできます。(疲れてると即、夢の国行きですが。笑)
脳内が整理体制に入りかけてるのかしらん?笑
場合によってはかなりいいアイデアや言葉を思いつくことがあるので、枕元にはメモ用紙とペンを必ず置いてます。朝目覚めた時に面白かった夢を忘れぬうちに書き留めるのにも重宝〜。


厠上=トイレ
用を足している時かどうかはさておき、トイレという空間が落ちつくので文を練るのにいいというのはよく分かります。
一人で、誰にも邪魔されず、囲まれた狭い空間。
トイレであまりアイデアを練ったりすることは無いけれど、私の場合はお風呂の浴槽がそれにあたるかも。
温かいお湯に満たされて、適度な圧力を受けつつ、容れ物におさまって、落ちついてると、不思議と脳内が整理されていく気がします。
夜、仕事をしている時に、行き詰まったらお風呂入って気分転換してますし。笑



いずれにしても、家で一人で静かにパソコンに向かってる時には、物語のネタやいい文なんてまったくもって出てきません。笑
たぶん、昔の人も似たようなものだったんでしょうね〜(*^^*)
10月19日  即興MENU#2-008「コルク栓」
即興2-08_コルク栓

 風が吹いた。東の方角からだ。

 風といっても、ひゅうと吹くあの風ではない。事件現場の気配がすることを、そう表現しているだけだ。
 今度は何だ、と思いつつ、車を東に走らせた。夜の九時を少しまわったところだった。
 
           * * * * *

 銀行での立てこもり事件らしい。ヤジ馬の人たちからの情報をまとめてみると、行員の一人が残業中に、同僚を人質にして突然たてこもったという、何とも意味不明な事件である。

 私は事件現場の周辺を念入りに調べはじめた。原因はきっとこのあたりだと思った場所に、小さな穴を見つけた。
 半透明の気体が染み出してきている。もっとも他の人には見えないだろうけれど。

 ポケットに手を入れコルク栓をひとつ出し、塀にあいた穴に、きゅっと詰めた。それはぴったりとはまり、気体は止まった。おそらくそのうちに事件は解決するだろう。
 
           * * * * *

 穴からもれてくる気体は、誰かの悪夢である。時としてそいつは他人に移り、とんでもない行動に走らせる。世の中の事件の、ほんの一部は、悪夢によるもので、私の仕事はコルク栓でその穴をふさいでやること。

 もちろん、穴もコルク栓も、他の人には見えないのだけれど。
 
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

【作品DATA】

本日の創作メニューは「風が吹いた」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “風が吹いた”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…山でペタンク中だったTさん(男性)
[お題]…コルク栓
[創作日]…2009年10月17日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


毎回山の上でペタンクを楽しまれているTさん。
3つのお題候補を持参されました。
で、一番無難なコルク栓を選んだのは私。笑
チャレンジ精神で、難しそうなお題を選ぶべきだったかしらん?と思ったりもしましたが、「普通のお題で書いたお話が、まったく普通じゃない」ものになったのでこれでよし!としたいと思います(^ ^)
10月19日  即興MENU#2-007「小さなブーケ」
即興2-07_小さなブーケ

 風が吹いた。巻き上がった砂ぼこりが、マユの目を直撃したらしく、痛っと言ってからポロポロと涙をこぼしはじめた。
 オレはメガネなので平気だが、マユはハードコンタクトを入れてるので、ホコリにはめっぽう弱い。とにかくどこかで洗わないと、とあたりを見回した。
 バスをおりてからしばらく歩いたその山すそには、民家も公共トイレも見あたらなかった。
 
           * * * * *

 マユとの旅行は、付き合いはじめてこれが始めてで、できるだけ観光地っぽい場所は避けたいという彼女の奇妙なリクエストにこたえて、全く有名でない田舎町の自然を見に来たのだった。

 民家はなかったが、すこし先に白い建物が見えた。マユが転ばぬよう手を引いて近づくと、赤い屋根の小さな教会で、庭に牧師さんらしき人が立っていた。

「それは大変でしたね。どうぞ手洗いをお使い下さい。こちらの廊下の先になります」

 心よく手洗いを貸してもらい、戻ってきたマユとオレは教会のステンドグラスを見ながら、こういう場所で結婚式をしたいねと話した。
 帰りまぎわに、牧師さんが小さなブーケをプレゼントしてくれた。庭の花を使ったそのかわいいブーケは、今のオレたちにすごく合っている気がした。
 
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

【作品DATA】

本日の創作メニューは「風が吹いた」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “風が吹いた”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…初来店の女性(中学生とのこと!)
[お題]…小さなブーケ
[創作日]…2009年10月17日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


かわいい女性がかわいいブーケをお題に持ってきてくださったので、こりゃカワイイお話にしなきゃ、と思って(笑)、教会を舞台に仲良しのカップルを描きました。
このお話、私の中では続きがあって、二人は将来、本当にこの教会で式を挙げに来て、庭でのガーデンパーティーとかをしたりします。
もちろん、その時のブーケも、牧師さんが作ってくれるのです♪
10月19日  即興MENU#2-006「免許がとれた」
即興2-06_免許証

 風が吹いた時、カードのようなものが目の前に飛んできた。
 拾ってみると運転免許証である。どこから来たのかと周囲を見回してみるが、それらしい人影は見あたらない。どうしたものかと思い、もう一度カードをよく見る。

 『第二種 風師免許』とある。

 自動車免許じゃないのか。いやそれよりも風師って何だよ。オレは運転免許証そっくりのデザインのそのカードを持ったまま首をかしげた。

 本来なら交番に届けるべきなのだが、オレは持ち主に直接返しに行くという方法を選んだ。どうしても風師が何かを聞きたくなったのだ。いや、聞きにいくべきだオレは、とさえ思った。

           * * * * *

 記載された住所は、小さなビルの一室だった。出てきたのは免許証と同じ人物で、その中年男性は、まるでオレが来るのを知っていたかのように「風師(かぜし)免許に、興味がおありなんですよね」と告げた。

 うなずくと、小さなパンフレットを差し出した。

 「風師とは、風を読む力を持つ者のことです。もちろん気象上の風コースもありますが、世の中の流行の風や、経済の風、つまり流れを読むコースが人気ですよ。費用は多少お高くなりますが、ヘタに経営セミナーなんかに行くよりは確実。いかがです?」

 オレはその話にひかれた。そして一年後、無事免許をとった。
 かなりの費用を使ったが、これから風師としての力を発揮すれば、数ヶ月で元はとれるはずである。
 
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

【作品DATA】

本日の創作メニューは「風が吹いた」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “風が吹いた”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…初来店の男性
[お題]…免許がとれた
[創作日]…2009年10月17日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


お題の持ち物は、免許証!
写真は、個人情報保護保護……と必死のぼかし作戦です。笑
(ご本人にはぼかして使用することの了解を得ています)
タイトルもお客さまにアレンジしていただきました。
風師の訓練や試験って一体どんなものなのか…、そのあたりをテーマにもうひとつお話が書けそうです。

★メルマガでご紹介いただきました!★
お客さまが発行されるメルマガにて、当作品&ブログをご紹介いただきました〜♪
なんと、現役教習指導員の方だったそうで、免許証をお題にいただいたのも納得!です(^^)
こちらが、佐々木さんのメルマガ「運転が好きになる成長のメールマガジン」
最新10/24発行のvol.53で紹介されてます!
 ↓ ↓
http://archive.mag2.com/0000274814/index.html



※手書き原稿に誤字発見……「発揮」と「発輝」と書いてしまってました。。。
 久々にやってしまいました。気を付けなければ!苦笑