
雨がやんんだし、少しとおまわりをして銀行によって帰ろうかな。スーパーでかいものをおえてから、そう思い立って、帰り道とは反対の方へ向かってあるきはじめた。
まどぐちの横のATMで、手つづきをしていると、お客さんをよびだす店員の声がきこえてきた。
「43番のカードをお持ちのお客さま……」
「ナカタさま、ナカタユミコさま……」
「58番のカードを……」
大きな銀行なので、ひっきりなしによびだしの声がひびいている。
「ノクボさま、ノクボナオキさま……お手つづきがすみましたので、5番窓口までおこし下さい……」
えっ、と思った。まさか、あの野久保くん?
でもあんなに人気の芸のう人が、こんな所に……。
疑いつつも思わず目でその姿をさがしている自分がいた。でも周りの人はいたってふつう。やっぱり単なる同姓同名か、と帰りかけると、また呼びだしの声が耳にとびこんできた。
* * * * *
「クボ・ナオコさま……」
とんだ聞きちがいだわ。どうりで他のお客さんもぜんぜん反応してなかったわけである。
銀行からの帰り道、おかしくて、何度も思い出し笑いをしてしまった。
でも、本物だったらちょっと見てみたかったな、と、思ったりもした。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】
本日の創作メニューは「雨がやんだ」
お客さまの選んだ材料で、
“雨がやんだ”ではじまる短いお話を
お作りします。
それは、
今日限りの、小さな物語。
[お客様]…SHOPきつねの小学生店長さん
[お題]…のくぼなおき
[創作日]…2009年6月20日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)
五十音の即興作品の最後は「の」で、常連の小学生店長さんから、ファンだということでタレントの「のくぼなおき」(野久保直樹)でいただきました。笑
芸能人や個人名でのお題はこれまでにも数作品ありましたが、あまりリアルになりすぎずに、でも実在の人物の名前を生かして〜となるので、ちょっぴり苦労します。
今回は、野久保くん本人は一切登場しませんが(笑)、ファン心理を少しだけ盛り込んだ作品にしてみました。
ひらがなが多めなのは、小学生対応となっているからです(^^)
=====
摩耶山の上で即興創作「かな五十音バージョン」はこれにて無事終了です。
7月からも即興創作を続けていこうと思っていますが、どんなお題の決め方をするのかはまだ未定です。四字熟語や漢字やアルファベットなど、いろいろ検討中。辞書のページを開いてもらってそこから選ぶ、なんていうのもいいかも!(^^)
「こんなのやってみてよ!」というアイデア、ご希望などありましたら、コメントやメッセージでお寄せくださいませ!
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雨がやんだようだ。よかった。
大事な人と会う日は、やっぱり晴れた日がいい。
鏡を見て、もう一度服装と髪をチェックする。
変じゃないかな、大丈夫かな。角度を変えて念入りに見てみるが、どうにもこういうことには馴れてないので、どうしていいのかよく分からない。ヒゲのそり残しはないな。それくらいしか思いつかない。
* * * * *
待ち合せの時間よりもずい分はやく着いてしまった。何せ十五年ぶりに会うのだ。緊張している。でも会えることがうれしくて仕方ない。
きっとびっくりするくらいきれいになってるに違いない。
窓際の席で、空を見ていると、またポツリポツリと雨粒が落ちてきた。太陽は出ているので、通り雨だろう。
「雨、雨、ふれふれ、かあさんがー」
そんな歌が口をついて出た。
「ピチ、ピチ、ちゃぷ、ちゃぷー」
そう続けると、
「らんらんらん」
女性の声がつづきを歌った。ハッとして顔をあげた。
「昔、よく一緒に歌ったよね、お父さん」
なつかしい顔が、そこにあった。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】
本日の創作メニューは「雨がやんだ」
お客さまの選んだ材料で、
“雨がやんだ”ではじまる短いお話を
お作りします。
それは、
今日限りの、小さな物語。
[お客様]…初来店の男性
[お題]…らんらんらん
[創作日]…2009年6月20日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)
♪あめあめふれふれ〜の歌、よく子供の頃に歌いました。そんな懐かしいフレーズをお題にいただきました。
長年離れて暮らしていた父娘の間に、決して消えない思い出の一つとしての歌。
このあと、二人はどんな話をしたのでしょう。
お客さまにも娘さんがいらっしゃるそうで、作品を読ませてみたいということで、「お持ち帰り」となりました。
そんな風に言っていただけて、ホントにありがたい限りです!
=====
摩耶山の上で6月に即興創作した
最後の作品「のくぼなおき」は、
29日夜0時に更新されます。
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雨がやんだ。やっぱり、と思った。5分ほど前に、あれを聞いていたから……。
* * * * *
その声をはじめて聞いたのは、いつだっただろう。たぶん梅雨入りの頃だったはずだ。
「わははははははは」
マンガのセリフのような、いかにも、な笑い声が、どこからともなく聞こえてきた。
その声を聞くのは、いつも雨がふっているときで、その後雨が必ずあがる、という法則に気づいたのは、何度か声を聞いたあとだった。
最初はテレビアニメの声か何かかと思ったが、それと雨の関係性がさっぱり分からない。男の人のような、子供のような、変わった声質だった。
* * * * *
謎がとけたのは、数日後。不思議な声の持ち主が、最近引っ越してきたお宅で飼われているオウムだということを、散歩の途中でたまたま知ることになった。
「動物のカンっていうのかなぁ。雨があがる気配が分かるらしくて、なぜだか笑うんだよねぇ。こいつの元の飼い主と何か関係あるのかもしれないんだけどね」
オウムの今の飼い主は、そう言って黄緑色の鳥の方を見た。
彼(オスだそうだ)は、まっすぐ、空を見ていた。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】
本日の創作メニューは「雨がやんだ」
お客さまの選んだ材料で、
“雨がやんだ”ではじまる短いお話を
お作りします。
それは、
今日限りの、小さな物語。
[お客様]…ヘナ染めをされている女性
[お題]…わははの声
[創作日]…2009年6月20日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)
とても面白いお題をいただきました。「わはは」ではなく「わははの声」というあたりにセンスを感じます!
とても明るい雰囲気の方だったので、ちょっとユニークなお話にしてみました。
雨あがりを察知して「わはははは!」と笑いマネをするオウム。一体、前の飼い主とどんな生活をしていたのかは、みなさんのご想像におまかせいたします!
=====
残る2作品は、一日1話ずつアップします。
次の「らんらんらん」は28日夜0時に更新されます。
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「雨がやんだね」
娘にそう話しかけると、えんぴつを持った手を止めて「じゃあ公園にいこうよママ」と言いながら、もう玄関に走っていって出かける準備をはじめていた。
練習の途中で放り出されたノートには、たどたどしい字でひらがなが並んでいる。まだ完ぺきには書けないので、所々が左右反対になった鏡文字である。
“がんばれ!”と心の中でとなえて、私は娘に手をひかれるまま、マンションの下の公園にでかけた。
* * * * *
遊具であそぶ娘を見ながら、先ほどの練習ノートの鏡文字のひらがなを、指で砂に書いてみた。
「るん」
いつの間にか、隣に娘が座って、私の手元を見て言った。
「るんるんるん」と言いながら、私の書いた文字をマネして書きはじめた。
「ほら、よく見てごらん。“る”はこっち向きだよ」
何度もくりかえして書くうちに、ついに“る”と“ん”を正しい向きで書くことができるようになっていた。
「すごいねぇ、できたねぇ」とほめる私に、「るんるん」と娘はうれしそうに言った。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】
本日の創作メニューは「雨がやんだ」
お客さまの選んだ材料で、
“雨がやんだ”ではじまる短いお話を
お作りします。
それは、
今日限りの、小さな物語。
[お客様]…赤ちゃん連れの女性
[お題]…るんるん
[創作日]…2009年6月20日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)
ちっちゃなかわいい赤ちゃんと一緒にご来店してくださったママ。楽しげなお題をいただきました。
お子さん連れの方からお題をいただくと、わりと親子が主人公のお話になってしまうことが多いのですが、今回もその一つに。
いつかお子さんが字の練習を始めるくらいに大きくなった頃、ふとこのお話のことを思い出していただければうれしいなぁという思いを込めて(*^^*)
=====
残る3作品は、一日1話ずつアップします。
次の「わははの声」は27日夜0時に更新されます。
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『雨がやんだら、お店をあけます』
手書きの文字で、そうあった。小さなサンドイッチ屋のシャッターに貼られたお知らせの紙。
最近、通勤の道をちょっと変えてみたときに、その店があることに気がついた。
クリーム色の壁、青いテントひさし、“サンドイッチ専門店”の“専門”という言葉に魅せられたものの、まだこの店が開いているところにはなかなか行くことができないでいた。
いつ訪れてもシャッターは閉まったまま。そのうち梅雨に入り、雨がしとしとと三日間降り続いたある日に、この貼り紙と出会った。
* * * * *
私は雨があがるのを待った。それからさらに一日雨が降り、翌日の土曜日の夕方、ようやく晴れ間がみえた。
大いそぎで店へ向かった。そしてはじめて、空色のシャッターがあがっているのを見ることができたのだ。
「ツナサンドを一つ」
ずっと心に決めていた注文の品を、ようやく受けとることが、かなった。店のマスターは、オープンデッキに案内してくれ、無言で空を指さした。
「あ」と私は声をあげた。雨上がりの空に、澄んだ大きな虹が、かかっていた。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【作品DATA】
本日の創作メニューは「雨がやんだ」
お客さまの選んだ材料で、
“雨がやんだ”ではじまる短いお話を
お作りします。
それは、
今日限りの、小さな物語。
[お客様]…サンドイッチを持っていた男性
[お題]…ツナサンド
[創作日]…2009年6月20日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)
美味しそうなサンドイッチ(ベーグルサンドっぽいやつ?)を持っていた、何度かご来店いただいたお客さま。そのまま「ツナサンド」という美味しいお題をいただきました。
お腹に赤ちゃんがいる奥様もご一緒にご来店。お二人の様子を見ていたら、幸せな感じのお話に、自然となってしまいました(^^)
虹を見ながら食べるサンドイッチ、きっと格別じゃないかな〜と思います。雨上がりの虹を待ってお店を開く、そんな気まぐれなお店もあってもいいかもしれません。
=====
残る4作品は、一日1話ずつアップします。
次の「るんるん」は26日夜0時に更新されます。
テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

雨がやんだ。雲を抜けたのだ。空港ではあんなにふっていたのに、うそみたいだな、と男は思った。
雲を敷きつめたような窓の外の光景を眺めつつ、目的地に着くまではまだ時間があったので、ほんの少しだけ、男はねむることにした。
* * * * *
夢の中で、男は雲の上にいた。
現実ではあり得ないのだろうが、雲の上をふかっふかっと歩いていた。どこまででも歩けそうな気持ちよさ、雲を一人じめにした気分だった。
ずいぶんと歩いた先に、妙なものをみつけた。
“蛇口”である。
人間の習性であろうか。男は迷わずその蛇口をちょっとひねってみた。しかし口の先から水が出る気配はない。もっとひねってみた。突然、ザーッとすごい音がした。蛇口ではない。雲のすきまからのぞくと、地上が大雨になっていた。
ほほう、と男はいい気になって、雲の上のあちこちに点在する蛇口をひねっては戻し、ひねっては戻し、天候を思うままにした。
その時、はるか向うに、自分が乗るべきだった飛行機が通過していくのが見えた。「乗せてくれ」そう言った瞬間、目がさめた。
* * * * *
飛行機はまもなく目的地。ちょうど雲の中を通過しているところだった。
抜けた先には、季節はずれの雪が舞っていた。
「蛇口、しめ忘れてきちまったか」
男は苦笑いしながら、つぶやいた。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【作品DATA】
本日の創作メニューは「雨がやんだ」
お客さまの選んだ材料で、
“雨がやんだ”ではじまる短いお話を
お作りします。
それは、
今日限りの、小さな物語。
[お客様]…さわさきさん
[お題]…エアプレイン(飛行機)
[創作日]…2009年6月20日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)
常連のさわさきさんより頂いたお題は、ご友人からお預かりになってきたお題とのこと。「飛行機」の「ひ」はすでに売切れでしたが、うまい具合に「エアプレイン」という形でご注文されました。
飛行機で雨雲を抜けた後の、あの晴れた幻想的な光景を舞台に、ちょっと自分の願望(雲の上を歩きたい!)も叶えるお話となりました。
今回は蛇口の番人が留守だったようですが、くれぐれも勝手に蛇口をひねらぬように〜!(笑)
=====
残る5作品は、一日1話ずつアップします。
次の「ツナサンド」は25日夜0時に更新されます。
テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学
お客さまに五十音から頭文字を選んでもらい、お題を決めていただき、お話を即興創作するという試みを続けてきました。
昨日6/20の摩耶山リュックにて、
とうとう
五十音を
制覇しました〜〜〜〜〜!
このボードが、
↓

こんな感じで埋まりました!
↓

常連さん、お久しぶりの方、初めてのお客さんなど、6名の方にお題をいただき、すべての(「を」と「ん」は除く)かな文字お題をコンプリートしました。
なんだか、やったぞーーーーっていう達成感、ありますね、やはり。w
来月からの即興創作のネタはどうするのかはまだ未定ですが、「山の上で物語お作りします」のスタイルは継続する予定ですので、よろしくお願いいたします!
==========

昨日のお題は以下のとおり。
数日中には順次アップしていく予定ですので、しばしお待ちくださいませ!
「え」=エアプレイン
「つ」=ツナサンド
「る」=るんるん
「わ」=わははの声
「ら」=らんらんらん
「の」=のくぼなおき
==========
【お・ま・け】



摩耶山であじさいを満喫。
最後の画像は「七段花(シチダンカ)」という幻のあじさいですよ〜。
今月は用事があって「お山で即興」が出来なかったもので…(^^;
今回は、物語というより、文字を使ったツールに関するお話を。
先日、ある本を店頭で立ち読みしている時に、とても懐かしいモノに出会いました。
ダイモのエンボシングテープ・ライターです。
プラスチックのテープにアルファベットや数字の型を1文字1文字押して、作るラベル。型押しした文字が白く浮き出て、独特の味わいがあります。
むかし、むかし。
子どもの頃、これと似たもの(これのオモチャバージョンだったと思います)を持っていた!と、唐突に、そして鮮明に記憶が蘇ってきたのです。
で、その本で紹介されているダイモのテープが何ともカッコよく見えてきて、いてもたってもいられず(笑)、数日後、東急ハンズで本体とテープを手に入れたのです♪

本体にはいくつか種類やシリーズがあるのですが、カタカナやひらがなの文字盤を入れ替えて使えるスタンダードシリーズ(DYMO 1595)にしました。デザインがリニューアルされて、ちょっと今風になってます。

テープは9ミリのものを4色(標準装備の黒に加え、青・赤・緑)揃えました。
ネットで探してみると、柄入りのものなど、テープも多彩らしいのですが、やはりこのベーシックなタイプが一番ダイモらしいかも!
ひらがなのフォントもかわいい!
試しに黒のテープに「こんのたんぺんしゆう」と打ってみました。

「ゃ」「ゅ」「ょ」などの小文字は無いのですが、それもまたご愛嬌。w
文字間隔がちょっとぶれたりするのもアナログな感じでいいです。w
この凹凸が何ともいえません。

9ミリ幅テープは、全長3メートル。
5文字打つのに約3センチ使うので、テープを全部使えば、500文字の文章が作ることができる計算に……………。
テープの端から端まで使って
短篇作品をひらがなだけで作って、
壁に貼って展示する、
みたいなこと、やってみたい!!!なんて妄想をしています。笑

土の中にそっと小さな粒を置いてやる。やさいく土をかぶせて水をかけた。
ベランダのよく陽があたる場所に植木鉢を置き、毎日それを眺めて、土がかわいたら水をやり、そのうちかわいい双葉が顔を出した。
成長がずいぶんはやいらしく、一ヶ月もすると小さなつぼみを一つつけた。枝葉も伸びて、つる性らしく、ベランダの棚にくるくるとからまりながら育っていた。
つぼみを見つけてから二日後の朝、青い八重の花が咲いた。にぎりこぶしほどもある立派な花で、無数の白い筋と一本の赤い筋のもようが花びらに入っていて、見たことのない種類だった。
でも、一度だけどこかで見たことがあったと思い出した。
* * * * *
咲ききった花をつんで、胸にさすと、私はでかけた。そして、その家の前に並んだ同じ花が咲いた植木鉢を確認すると、インターホンを鳴らした。出てきたのは、同級生のタツヤである。
「なんだ。わりと早くたどりついたなぁ」
そう言って笑った。この花、オレが交配させた新種なんだ、とも言った。
「引っ越し先のヒントがこの種一つってどういうゲームよ。私がこのへん来たことなかったら、解けなかったんだからね」
私はタツヤの性格を知っているので怒ったりはしない。
この花が、私への誕生日プレゼントであることも、もちろん分かっているのだから。
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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】
本日の創作メニューは「土の中」
お客さまの選んだ材料で、
“土の中”ではじまる短いお話を
お作りします。
それは、
今日限りの、小さな物語。
[お客様]…さわさきさん
[お題]…ロマンス
[創作日]…2009年4月18日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)
常連のお客さま、さわさきさんからのお題です。
いつも、「鼻から牛乳」や「ヨン様」や「さわさき」といった一風変わったお題をいつもくださるので、今回のものは少しだけ意外でした。笑
でもこういったイメージの幅が広い単語は、ストーリーをまとめるのに結構時間を要したりします。
さらには元々、ロマンス…とうか恋愛ネタを上手く書くのはどうも苦手なので……(^^;
そんなわけで、今回はどっぷり恋愛ではなく、これから恋愛に発展するタネのような部分を描いてみました。
実はこのお話、前後に描かれなかった部分がたくさんありますが、あえて読者の方の想像におまかせする形にしました。(というか、そうなってしまいました。苦笑)
登場する二人の背景を、ぜひ空想してみてください。w
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土の中から出てきたので、最初は木の実がくさったものか、肥料のかたまりかと思った。
モスグリーンや茶色のそれらは、手で握ると音も無くつぶれた。もろい消しゴムのような感じである。いや、消しゴムのような弾力はないので、単に土をかためたもの、という方が近いだろうか。しかし土とは色味が違うのだ。
* * * * *
近くの山を散歩している時に、野草つみをしていて、たまたま見つけた謎のかたまりたち。4月のはじめのことだ。
「何だろう」と鼻先に近づけてみる。特に肥料のようなくささもなく、あえて言うなら“風のにおい”というものが一番近い気がした。
風が吹いて、何かの鳥が飛びたった。雑草らしき花に蝶が舞っていて、うぐいすらしき鳴き声もする。そんなものに触れていると、手の中の得体のしれない物体はどうでもよくなってきた。
行くか、と立ち上がる。近くでバサッと何かが落ちる音がした。近づくと驚いたことに、五百円玉サイズの「ほ」の字が横たわっていた。さわるとまだあたたかいが、すぐにくずれて土になじんでいった。
ケキョ。ホッケキョ。うぐいすが無く。まだへたくそである。そのたびに近くで物音がして、「け」や「ょ」の字を見つけた。あの謎のかたまりとそっくりな質感。
あれば練習中の鳴き声が、うっかり落ちたものらしい。
春はいろんなコトが、起こるものである。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【作品DATA】
本日の創作メニューは「土の中」
お客さまの選んだ材料で、
“土の中”ではじまる短いお話を
お作りします。
それは、
今日限りの、小さな物語。
[お客様]…似顔絵描きのテツさん
[お題]…ほの字
[創作日]…2009年4月18日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)
お隣で出店しておられたテツさんからお題をいただきました。
お題の「ほの字」は「惚れる」という意味……だったはずなのですが、当店で調理した結果、「惚れる」が「ホーホケキョ」に変換されてしまいました。笑(ちょうど、うぐいすの練習シーズンだったもので……)
これもまた、お客さまとのコラボでつくる即興の面白さかなと思います。w
ちなみに、「ほの字」を検索するとやたら飲食店がヒットします。笑
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