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書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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【リンク情報】ナダタマ
紺ノ短篇集は 「灘愛」をテーマにしたディープな地域情報サイト ナダタマ にリンクをはっていただいてます。


ナダタマのナダは灘区(神戸市)のナダ。
(ナダタマを漢字で書くと「灘魂」)

「豊かな灘ライフを演出するためのグローカル(グローバル&ローカル)サイト」ということで、個性的なブロガーによるナダログや、各種「灘」情報が楽しめます。

いよいよ明日11/1水にグランドオープンとなります。
といっても、現在も公開中ですので(まだ工事中の箇所はいくつかあります)、オープン直前の宣伝(?)も兼ねて、ここで書かせてもらいました。

現段階でもナダタマのリンクから当ブログを訪問してくださる方が毎日数名。ありがとうございます。

ちなみに、当ブログと灘とどう関係あるの? ということですが……

もちろん私自身、灘に頻繁に(遊びに)行ってるわけですが……

紺ノ短篇集の短篇シリーズ「一画一話」で使用しているイメージ写真は、主に神戸市内で撮影されたものですが、実は半分くらいは灘区のものなのです。
(写真の撮影場所などは「あとがき風」で書いてます)


そういうご縁(?)もありまして、クミンブロガーズに入れていただいているようです。
たぶん(笑)

がんばって灘写真たくさん使わないと!(笑)



ちなみにこれは灘の猫…(水道筋商店街の裏手の通りで撮影)


そういえば検索ワードには「灘駅」というのが数回登場していました。
短篇no.5「灘駅のカケラ」にヒット)

「灘」はある意味強力な検索ワードなのかも。

さてさて。
灘を知る人もそうでない人も、ぜひぜひ一度 ナダタマ をのぞいてみてくださいな。
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no.10「指定席」
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(写真:奈良県明日香村のとある喫茶店)

 仁川さんが店に来るようになったのは、ちょうど1ヶ月前。
アタシがアルバイトに入って、1週間くらいたった頃だった。

 11月も終わりが近づいていて、近くの街路樹の落ち葉がすぐに店の前にたまってしまうので、手があくと私は掃き掃除をしていた。
 午前中に1回と、客足が落ち着く午後2時過ぎに1回。日課みたいに。
 そうやってちりとりに山盛りになった枯れ葉をゴミ箱に捨てて店に戻ろうとした時、グレイのスーツを着た50代くらいのおじさんが店をのぞいているのに気がついた。

「あの、うちのブレンド、とっても美味しいんですよ」
 思わず声をかけてしまったのは、仁川さんが店の棚の豆をじいっと見つめているように見えたから。そして、何より、アタシ自身がここ「マイルス」のブレンドコーヒーを気に入ってアルバイトさせてもらうことになったという経緯があったから。

「じゃあ」
 ゆっくりと店の中に入ってきた仁川さんは、とても穏やかな笑顔で注文を口にした。
「ブレンドをひとつ、お願いします』
 丁寧で、聞き取りやすい声だった。人と話をするお仕事をしているのかな、とその時の私は考えたりした。

          * * * * *

 それから仁川さんは平日、一日おきくらいにやってきて、ブレンドコーヒーを注文した。外回りの途中で休憩に立ち寄る、という感じだった。お店は日曜日も営業していたけれど、日曜日に姿を見ることはなかった。

 仁川さんは、いつも外の道路に面した窓際の小さな二人がけのテーブルに座った。
 来る時間帯は、大抵の場合お客さんも少ないのだけれど、一度だけ、その席に別のお客さんが座っていたことがあって、仁川さんがものすごくがっかりした表情になっていたことが印象に残っている。
 カウンターでいつものブレンドを注文したけれど、何となく落ち着かない素振りで、早々に帰ってしまった。

「どうしていつもあの席なんですかねー」
 ある日、ほかにお客がいなかったので、マスターに尋ねてみた。
「さあね。仁川さんだけの、理由があるんじゃないのかな」
 マスターはさして気にもならない様子で答えると、またせっせと食器を磨きはじめた。

          * * * * *

 その日、いつもの時間になっても仁川さんは現れなかった。
 ここ二、三日、姿を見ていなかった。

 珍しいなあ。
 と思いながら、アタシはふと思いついて、その席に座ってみた。

・・・・・あったかい。

 まるで誰かが座っているように椅子があたたかい。
 その時間帯にちょうどこの席だけ、太陽があたるようになっているのだ。
 テーブルに手を置くと、そこもほんのりとあたたかい。
 もちろん店内はゆるくエアコンを入れているけれど、そういうものとは確実に何かが違う。

・・・・・ここだけ、春みたい。

 いつまでもこのあたたかさにくるまっていたい。
 そう思わせるような場所だった。
 仁川さんは、このことを知っていたのだ。
 カウンターに戻ってアタシはマスターにそのことを告げた。
 マスターはそうだね。と、まるで知っていたかのように頷いた。
 こういうの、年の功っていうのかも。
 あの席でブレンドを幸せそうに飲む仁川さんの姿が、カウンター越しに一瞬見えた気がした。

          * * * * *

 一週間ほど経って、仁川さんはまたお店に来るようになった。

 近づいてくるスーツ姿を目ざとく見つけたアタシは、仁川さんが店に入ってくるよりも先に、いつものテーブルにお水とおしぼりを置いて迎えた。
 ちょっと驚きながら、仁川さんはお店に来なかった理由を話した。
「いやあ、インフルエンザになってしまってね。あ、でももう完全に治りましたから。あかりちゃんも気をつけてね。じゃ、いつもの」

(おかげでアタシ、仁川さんのヒミツ、分かったもん)
 口には出さずにそう言って、マスターにブレンドをオーダーした。

 やっぱり仁川さんの方が、この場所が似合うなあ。
 コーヒーをゆっくり楽しむ幸せそうな仁川さんを見て、アタシはそう思った。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)

この物語はフィクションです。
登場する場所のモデルはありますが、
登場する人物・団体名はすべて架空のものです。
写真はイメージで、文とは一切関係ありません。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

夢016話「イスに乗って」
こんな夢をみた。

川を上っている。
乗り物はボートでもカヌーでもない。

イスだ。

小学校の教室で使っているような、木とパイプで出来た、かわいいイスだ。

イスには動力も操作レバーも何もついていないのに、私の意思で自在に動いて、すごいスピードで川を上って行く。
私はイスに座って両手で体を固定しているだけだ。

いつの間にか、川ではなく坂を上っていた。

上り切ったところで、イスごと見事に一回転をすると、ようやく止まった。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
これはいつぞや見た夢のデキゴトです。

車の免許すら無い私は、こういう暴走体験の夢は何となくスカッとします。
車の運転とはこんな感じなんでしょうか。
・・・・・たぶん違うと思いますけど(笑)

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

あとがき風~no.8「密かに種を植えた男」
普段、歩いている時に、ついつい足下をきょろきょろと見てしまうという挙動不審な私は、そのへんを歩いている名前の分からない虫とか、アスファルトの割れ目から生えている雑草が、かわいくて仕方なくなるという体質だ(笑)

そのうち近所の道ばたの雑草を片っ端からカメラにおさめて雑草マップを作ってみたいという、何の役にも立たない野望を密かに抱いているほどだ(笑)

ど根性大根というのがあったけれど、とにかく植物というのは、計り知れない生命力を持っている。抜いても抜いても生えてくるし、枯れてたと思ったら何年か後に新しく芽吹いて復活したりするし、人間なんかよりずっとスゴイと思う時も多々ある。

そういうすごーい植物のチカラは、ぜひとも創作に使わせていただきたいものである。
≫≫≫続きを読む
夢015話「ペンギンのお誘い」
こんな夢をみた。

氷の無い大きなスケートリンクにたくさんの人がウロウロしている。
人と同じくらいの数のペンギンもウロウロしている。

すぐそばにいた大人のペンギンがよちよちと近寄って来て、私の袖をくいくいと引っ張る。もう一方の手(あるいは羽)にはクレヨンを持っている。

遊ぼう、と誘ってくれているらしい。

他の人もそれぞれ近くのペンギンに誘われている。

しばらくすると鬼ごっこが始まった。

最初の鬼は人間の男性だった。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
たまにはこういうカワイイ?夢もみたりします(笑)

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

夢014話「同窓会」
こんな夢をみた。

中学時代の同窓会が開かれた。
場所はどこかの体育館らしい。

会場に着くなり、全員制服に着替えさせられるので、

まるで場内は大コスプレ大会のようだ。

30を過ぎた大人でも着れるように、制服はすべて特注してあったらしく、誰もサイズが合わない人はいない。

何かのゲームがはじまった。

景品は「学生帽」らしい。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。

今、実際に小中学校の同窓会の話が動いているので、こんな夢をみたのかもしれません。
「中学時代に戻った夢」と「同窓会の夢」がごっちゃになったようなビジュアルです(笑)
それにしても制服コスプレとは。。。

えっ? 無いですよ、コスプレ願望とかは(笑)

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

お題、承りました。
キリ番踏んでお題を出そうキャンペーンの事後報告です。

アクセス1111人目のあさみさんからのお題
「むこうむきうさぎ」

アクセス1500人目のcolored~さんからのお題
「日曜の朝」

それぞれお受けしました。
どこかのタイミングで出没すると思います。
お楽しみに(笑)
no.9「きんちゃん」
今回に限り、写真とお話はまったく関係ありません(笑)
旅先(沖縄・慶良間諸島・阿嘉島)の海があまりにキレイすぎたので、思わず。





短篇は、以前書いたショートストーリーです。
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 ごとん、と鈍い音がした。いやな予感がして洗い物の手を止めてテーブルを見ると、読み終わった新聞とそのまわりに茶色い海ができていた。
「やだ、お父さんのカップにさわっちゃダメって言ったでしょ」
 私はコーヒーをふきながら、テーブルの横でうつむいて立っている絵里香に言った。小学一年生の娘は最近父親が口にするものに興味津々で、今一番の注目株が「コーヒー」なのだ。「体によくないから子どもはダメなの」と言えば言うほど、目を盗んでこっそり手をつけようとする。幸いコーヒーは新聞に吸収されて、床にはほとんどこぼれなかった。でも絵里香の白いドレスには茶色い点々がいくつかできていて、私は慌てて濡れた布巾を押し付けて染みをとった。

 発表会は大丈夫かしら。リビングに置いている小さなピアノを横目で見ながら、私は心の中で祈った。 どうか今日は最後までつっかえずに弾けますように。

          * * * * *

 会場は市内の小ホールだった。二つのピアノ教室の共催になっていて、プログラムには三十人くらいの子どもの名前が年の順に連ねてあった。もちろん観客は子どもの家族ばかりだ。絵里香は五番目、曲目はモーツァルトの『きらきら星変奏曲』。

 おうちでやっているみたいに弾いたらいいんだからね、と私はまるで自分を励ますように言った。
「あのね、きんちゃんがいるから、大丈夫だよ」
「どうして? きんちゃんはおうちでお留守番だろ?」
 夫が訝しがって聞く。
「ちがうの。ここにね、いるの。いいにおいがするんだよ」
 差し出した右手のそで口には小さな模様がついていた。それは今朝こぼしたコーヒーの不定形な染みで、その魚のような形は、家で彼女が可愛がっている出目金のきんちゃんに似ていないこともなかった。
「こんなとこにもついてたのね。ふふ、でもほんと、きんちゃんみたい」
 思わず私の口から笑みがこぼれた。

          * * * * *

 私と夫が緊張している中、絵里香は最後まで一度も間違えること無く弾き終えた。きっときんちゃんのおかげだね、と私たちは拍手をしながら顔を見合わせた。

 帰ったら三人でコーヒーブレイクにしない? と提案すると、同じことを考えてたよ、と夫が言った。
 ステージから戻って来た絵里香は発表会が終わるまでずっと、コーヒーのきんちゃんをなでていた。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)

この物語はフィクションです。
登場する場所のモデルはありますが、
登場する人物・団体名はすべて架空のものです。

子どもの頃(小中学時代)にピアノを習っていたことがあり(まったくもって上達せず…笑)、その頃のこととコーヒーというテーマを結びつけて書いたもの。
ただしこの頃、コーヒーにはまったく興味がなく、もっぱらミロ派(笑)

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

猫の写真展のこと(思い出)
タイトルに「猫好き、本好き、作家志望。」と書いているので、たまには猫のことも書いてみようかと。

それは2003年の春。
会社を辞めてから次の活動までの期間を利用して、一度やってみたかった猫写真展を、友達とユニットを組んで開催した。
神戸と阪神間を中心に(主に灘区と東灘区だったが)、撮りためた猫写真を使って。
展示会名は「百猫繚乱」、ユニット名は「猫杓子」だった。
・・・すぐに分かると思うけれど、それぞれ、百花繚乱、猫も杓子も、をもじったのだ(笑)
相変わらずの日本語(漢字、熟語、ことわざ)好き。


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▲野良猫とは思えないこのきれいさ(神戸市灘区)


野良猫の写真を積極的に撮るようになったのは十年以上前。
空の写真をよく撮っていた私は、ある日ご近所のSさん宅のガレージで、猫の赤ちゃん10匹軍団に遭遇した。
Sさんにご飯をもらっているその猫軍団は、日々いろいろな表情を見せてくれる。
ちょうど最寄駅と私の家の間にそのS邸はあり、私の毎日の習慣に「猫軍団の観察」が加わったのは言うまでもない。

えさをもらえるので、赤ちゃん猫だけでなく、中くらいの猫も大人の猫もあちこちからやってきて、そのガレージはいつもいろんな猫を見る事ができた。
すっかりハマってしまったので、もちろん写真にも撮ったりしたけれど、何せ人様のガレージ。のぞきこんで写真を撮るのは褒められた行為ではない。

自然と私の「猫撮影行為の対象」は、その辺を歩いている野良猫に移行していった。
しかも加速した。
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テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

no.8「密かに種を植えた男」
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 2015年、夏。

 R公園を知っているだろうか。

 大きな芝生広場と遊具、そしてそれに隣接する巨大なモニュメント。
 スキージャンプ台のようなコンクリート製のモニュメントには、青いような灰色のような変わった色のタイルが敷き詰められている。
 最近、その表面にいくつかヒビがはいっているというウワサを耳にした。世間では老朽化だとか、上で子どもが自転車に乗って遊ぶからだとか、勝手なことを言っているようだが、本当の理由は俺しか知らない。

          * * * * *

 10年前、俺はK大学の農学部の研究室で助手をしていた。生長ホルモンやら遺伝子研究やら、まあそういうことをやっていたわけだが、教授の仕事を手伝いながら、夜中に研究室で趣味の実験に没頭する日々を過ごしていた。
 ある夜の帰り道、俺はポケットに入っていた実験済みのトチの木の種を、ふと思いついて、当時工事中だったR公園のモニュメントの、コンクリート型枠の中に忍ばせたのだ。

          * * * * *

 あの時の実験は、失敗ではなかったのだ。
 俺はR公園に向かった。
 タイルとタイルの間のヒビ割れを覗き込むと、緑の葉が顔を出していた。

 このトチの木は、コンクリートを栄養素として10年かけてこの中で育っていた。そしてようやく、熟した種が芽を出し、その強靭な力でタイルを突き破ろうとしている。俺の種はようやく動き出したのだ。

 あの時の実験がもし完璧に成功しているならば、あと数日で、この木は急速に10年分の生長をとげるはずだ。

 そう、明後日あたりだ。
 この公園には小さな森が誕生する。
 そして誰も、犯人が俺だとは分かるまい。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)

この物語はフィクションです。
登場する場所のモデルはありますが、
登場する人物・団体名はすべて架空のものです。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

夢013話「小さな赤子」
こんな夢をみた。

知人が赤ん坊を預かってほしいという。

手渡されたその赤子は、

携帯電話ほどの大きさしかなく、

しかもむち打ち症になっているので、首が動かせないのだという。

そっと手のひらで包むように抱き、ゆっくりとまわって、まわりの景色を見せてやると、きゃっきゃっと、喜んでいる。

少し情が移ってくる。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。

携帯ほどの赤子は、別に未熟児という感じでもなくて、

普通にスモールライト(by ドラえもん)で小型化したような赤ちゃんだった。

赤ちゃんのことを考えていたというよりは、二つ折りの携帯電話を見て、ふと人型っぽい、と無意識に思ったことがあったのでは? と自己分析。

あくまで自己分析(笑)

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

夢012話「ナチの行列」
こんな夢をみた。

病院か学校らしき場所に大勢でいる。
子どもも大人もいる。
閉じ込められているのか、隔離されているのか、隠れているのか、とにかく誰もが疲れた哀しい顔をしている。
電気をつけることを許されてないので、薄暗い。
しかし部屋の中にいたある先生は、そのタブーを破り、電気のスイッチを入れてしまう。

   (暗転)

建物の外に、みんなで出てみると、そこは土の道で、無表情な人たちが長い行列をつくってどこかへ歩いていく。国籍も年齢もよく分からない人たち。

「ナチの行列って言われてる」

と誰かが、その行列のことを教えてくれる。

私たちは、みんなバラバラにその行列に混じって、外の世界への脱出を試みることにする。

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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
ドイツのナチに関する映像か文献でも見た後だったのか、今では記憶が定かではない。

しかし、暗転が入るとは。
時々、こういう舞台テイストの夢を見る。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

カスタマイズに苦戦
このブログ、fc2の提供するテンプレートをベースにカスタマイズしているわけだけれど、これがド素人にはなかなか大変な作業。

そもそも単語の意味が分からない。
記号の構成要素が理解できない。

ただ、私にとって救いだったのは、HTMLやスタイルシートに詳しいトモダチがいたこと。
彼女に少しずつ教えてもらいながら、チャレンジしつつ、ゆっくりゆったり前進する日々。

今の悩みどころは、写真のレイアウトデザイン。
どんなサイズで、どんなフレームで、どう見せるのか。

色々試行錯誤しながらもなかなか決められない。

ホントはブログ全体のデザインも根本的にいじりたいのだが………。

とりあえずはベースになっているテンプレートの解読で、悪銭苦闘の日々。

でもブログで公開している以上、見せ方というのは、自分の中でも非常に重要な要素なので、近いうちにきちんとデザインを組んでみたい。。。と思う今日この頃。

文章を紡ぐことの次に、見せ方を整える事は、重要なファクターなのだ。


追伸~カスタマイズの効果;タイトルに日時を表示させることにした。その他、フッターなどもビミョウにデザイン修正。。。
本003話『それからはスープのことばかり考えて暮らした』(吉田篤弘 著)
『それからはスープのことばかり考えて暮らした』

これは、尊敬するクラフトエヴィング商會という二人組のユニットの一人・吉田篤弘さんが書いた小説である。
8月に発行されたもので、最近手に入れて、ほとんど一気に読んでしまった。

仕事をさがしながら町に引っ越してきたオーリィくんこと、大里くんは、サンドイッチ屋「トロワ」で働くことになって……彼と町の人との日々を描いた短編連作集。

すでにこのタイトルが素敵だ。

これは雑誌『暮らしの手帖』に連載されていた小説で、中にはサンドイッチやスープなどの美味しい食事の話がたくさん出てきて、いかにも『暮らしの~』らしいなあと思わせる。

できたてポップコーンが食べられる町の映画館・月船シネマとか、夜鳴きそばしかメニューにないラーメン屋・幸来軒とか、登場するお店も、何とも言えない味わいがある。

物語の設定は現代のはずなのに(携帯メールとかも使っているし)、どことなく昭和を思わせたり、どことなく日本ではない架空の国を思わせたり、不思議な雰囲気が漂う町。

この本を読むと、自然とスープやサンドイッチが食べたくなってしまう。
注文が入ってからていねいにつくる「トロワ」の安藤さんのサンドイッチと、あおいさんの作ったえんどうまめのスープとかぼちゃのスープ、そしてオーリィくんの作った名なしのスープ。

食べ物の記述が美味しく立ち上がって来る、という小説は、読み手に幸せ感を与えてくれる。

人間の基本は食べる事と眠ること。

そんなことを再認識してしまう。

私、料理は得意ではないけれど、これを読んでいると、美味しいスープをどうしても作りたくなってくる。

ちなみに、最後には「名なしのスープのつくり方」レシピもあり。
ある意味、どんな料理にも使えるこのレシピ。
一度、スープを作ってみようか。
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これまでに読んだ本のコトをつらつらと紹介していきます

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

あとがき風~no.7「シンの家」
短篇no.7「シンの家」は、紺ノ短篇集の中でもっともスピーディーに出来上がった短篇、である(と思う)。

それは日曜日。
短篇を更新しないとなーと思いつつ、歩いていた。
摩耶山に遊びにいった帰り道。

そう、日曜日は10月15日。

5の倍数は短篇の日(と、一応決めている)。

自分で決めて自分で追い込む手法(笑)

歩いていたのは、摩耶ケーブル下駅から、阪神西灘駅まで。
何となく歩く気分になって、というよりも、何かネタが拾いたくて(笑)、てくてくと、観音寺川沿いに。

約20分後。

阪急電車の線路が見えて来る。
そこで出会ったのが、この「シンの家」。




無造作に転がっている丸太。
見事にあいた穴。

「ここは何か住ませたい」

それがココロの第一声。
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テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

no.7「シンの家」
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 シンの家は、もともと、兄の持ち物だった。


 シンというのは、うちで長年飼っているキジトラの老猫で、命名したのは母だった。といってもうちの名字を音読みしただけという、単純なつけかた。
 だからシンをフルネームで漢字表記すると「森 森」。私たち家族は、時々シンのことを「もりもり~」と呼んでふざけていたりした。
 もうずいぶんとおじいさん猫だったので、動きもゆっくりで、あまり鳴くことも多くなく、その代わりによくくしゃみをしていた。

          * * * * *

 駐車場の片隅につくった作業場と倉庫で、拾ってきた木材を加工して、照明カバーやら置物やら椅子やらを作って、ネットで販売するのが、兄の趣味だった。そういうセンスはあるみたいで、作品はわりかし売れて、いいお小遣い稼ぎになっているみたいだった。
 ある日兄は、中が空洞になった丸太を拾ってきた。たまたま玄関の片隅に置いてあったそれを、シンが見つけて中に居座ってしまったのが、シンの家のはじまり。

 どうやっても出て行こうとしないので、仕方なくそれをそのままシンに譲り渡すことにしたのだ。人間の年齢でいえば、家族の中で一番年上なのがシンで、彼の気持ちを尊重した、といえば、まあそうかもしれない。

 シンは毎日、寝る時には必ず丸太の家に入るようになった。
 元来、猫は狭い場所が好きなものだけど、その穴のサイズがシンにとってちょうどよかったらしく、そのうちに、ご飯の時と運動の時をのぞけば、大半を家で過ごすようになっていた。

          * * * * *

 そんな日々が過ぎ、ある日シンはお気に入りの家の中で、眠るように息を引き取った。

 シンのお葬式が済んで1週間ほど経った週末に、私たちは彼の匂いがしみついた丸太の家を、庭で燃やす事にした。シンとの思い出が一番残ったものだったけれど、この丸太を、シンはずっと空の上で待っているような気がして、送ることにしたのだ。

 火はパチパチと勢いよく燃え、最後に小さな音をたててはぜた。

 私にはそれが、シンのくしゃみに聞こえた。
 きっと兄も、父も母も、同じことを感じたはずだ。
 誰も口にはしなかったけれど、そう思った。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)

この物語はフィクションです。
登場する場所のモデルはありますが、
登場する人物・団体名はすべて架空のものです。

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あとがき風~no.6「紙が……」
短編no.6「紙が……」のことを少し。


よくもまあこんなぴったりな写真があったことよ(笑)、とお思いの方もいるかもしれませんが・・・。

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本編で使用している写真↑は、兵庫県立近代美術館(神戸市中央区海岸通)で撮影したもの。

よくはおぼえてないけれど、2003年1月のもので、触ったり参加したりする現代美術展覧会だったように記憶している。
写真のものは、紙くずを上からばらまくインスタレーションみたいなものだ。
撮影等は自由だった。
別に隠し撮りしたわけではない(笑)


この写真データを先日久しぶりに見たとき、ビルの間の空から紙くずが舞って来るビジュアルが立ち上がり、その紙を手に取る主人公が浮かんで、そんなたまたま手にした紙切れに、自分と関わりのあることが記されていたらどうだろうと考え、そこから生まれたのが「紙が……」の話。

思考回路が普段からSFがかっているトコロがあるので、物語はこういう終わり方になるわけだけれど、推理系の人ならば、この事件(自分に関連した紙切れが落ちて来る)についての理由を最後に明確に出して、ああそういうことだったかとオチをつけるかもしれないし、ここから何か事件を起こすかもしれない。はたまた、彼の友達が仕組んだ大掛かりなドッキリという考え方もあるし、紙自体に何か仕掛けがあって手に取った本人の記憶を見せるというのもアリかもしれない。

同じ写真を見て、同じビジュアルの書き出しを思いついたとしても、その物語の行く末は、書き手によって必ず変わる。

どんな絵や写真やヒトやモノにも、
無限大の物語が潜んでいることを、
こういう時にとても実感する。

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

夢011話「雑巾カンナ」
こんな夢をみた。

ずいぶんと古い木造家屋にいる。

建具も家具も何もかもが古く年季の入ったものだ。

雑巾がけを命じられた。
私はここで家政婦でもしているのだろうか。

気がつけば雑巾とバケツが置いてある。

それでは、と雑巾をかたく絞り、大きな古い木製の棚の前に正座をすると、力をいれて拭きはじめた。

一拭きするごとに、棚の表面は

カンナで削るようにめくれ、

きれいになっていく。

私は延々と棚を雑巾で削っている。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
一体、誰の家を、誰の命令で、掃除(というか削って)していたのでしょう。。。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

検索ワード(9/21~10/10)

創作から少し離れて雑談などを。

ブログ開設4日目に、アクセス解析というものがあるというのを知ったので、やってみた。
一日の間のどの時間帯に訪問者が多いのか、とか、OSはMacとWindowsのどっちが多いか、とか、いろいろ分かることがあって面白い。

その一つが検索ワード。

このブログの読者の大半が私の知り合いだと思うのだけれど、もちろん、ネットで公開しているから、例えばFC2ブログの新着記事からのアクセスもあるし、検索エンジンからのアクセスも稀にもあったりする(サーチエンジンはグーグルとヤフーの2種だった)。
知り合い多数で、まさか誰かが検索してたどり着いているとは、ほとんど予測してなかったので、軽い驚き。

といっても、私の場合は時事ネタや芸能ネタやテレビネタなど、新しい単語はほとんど使っていないので、ごく限られた単語にたまたまヒットしているわけなのだけれど。
でもそれはそれで、なかなか興味深い。
ちょっと、検索ワードをご紹介。
≫≫≫続きを読む

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

夢010話「草庭にいるもの」
こんな夢をみた。

大きな体育館にいる。
あちこちに、戦時中の砲弾跡が残っている建物。

国主催の祭があるらしくベテランお笑い芸人なども呼ばれているらしい。
ふとステージを見ると、いとしこいしがスタンバイしている。
会場の中で、男女の知り合いに会った。
食べ物をテーマにしたモノクロ写真集をつくるらしく、校正原稿を見せられる。
なかなかいい出来なので、ほめておく。

友人とともに会場から出てみると、やはりそこは学校の敷地だったらしく、運動場や小さな庭などがある。
築山を配した小さな芝生の庭を散歩していると、何かが動く気配を感じる。
芝の築山に見えたものは、どうやら生きているらしく、速くはないが、遅くもないスピードで、私たちをごそごそと追いかけて来る。

人間を食用にしていることが

はっきりと感じ取れた。
このままでは食べられると思い、逃げる。
得体の知れない草はごそごそとどこまでも付いて来る。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。

途中からホラーな展開になってしまうことは、よくあります。
夢の中で、「何か動いたかも?」と少しでも考えてしまうと、すぐにそれが夢の中で実体化されてしまうのです。

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no.6「紙が……」
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 偶然手のひらに落ちて来たその紙片は、名詞ほどの画用紙の断片で、クレヨンで虹が描かれていた。その色で思い出す事があった。
 小学1年生の時、俺はある絵画コンクールで銀賞をとった。虹のかかった夢の国。その虹の色は七色よりももっと多く、空の色も数色を組み合わせて作った青色だった。1年生にしては複雑な色使いをしていると、褒められた。
 あたりまえだ。母親が手を入れたのだ。偽りの銀賞だったせいか、この時の色が忘れられない。

 つま先に何かが触れた。丸められた小さな紙片。拾い上げて広げてみると、一番真ん中に「体重:65.4キロ」とあった。この数字で思い出す事があった。
 小学校6年の時の俺の体重だ。一人息子の俺を極度に甘やかして育てた母親は、俺が食べたいというものを何でも食べさせた。おかげで体重は増加の一途をたどり、堂々の肥満児の仲間入りを果たした。この頃の身長は135センチほどだったと記憶している。これから、今の体型に戻すまで、10年近くの歳月を要した。

 苦い記憶だ。
 俺は会社に行くのを忘れて、道ばたに立ち尽くしていた。
 よく見ればあちらこちらに紙くずが散らばっている。

 もうひとつ、手近にあった紙を拾い上げる。

 その断片には、7点と赤い字で記されている。片隅に印刷されている数式のごく一部から推測するに、それは数学の答案用紙だと分かった。
 7点。俺が中学時代、一度だけとってしまった一桁の点数。ラッキー7のくせに最悪の数字。焼却炉に捨てて、無かったものにした。

 俺は段々気分が悪くなっていく。
 それでもこの場を立ち去ることができない。

          * * * * *

 風に吹かれて、1枚の小さな紙片が足に貼り付いた。
 その紙には「……受験票」「……444」とあった。

 どうなってるんだ。俺は心でつぶやく。

 俺が大学を受けたときの受験票の末尾も444だったのだ。
 死を連想させる数字の羅列に、ナイーブな受験生になっていた俺は落ち込み、そのせいなのかは知らないが、この志望校には落ち、ランクを一つ下げた私学にすら落ち、結局2ランク下の私学に行く事になったのだった。今でも恨めしい、この数字。また再会するとは思わなかった。

 冗談じゃない。
 ロクでもない思い出ばかりが蘇る。
 最悪だ。もう会社に行くぞ。
 
 踏み出した足が、一枚の写真の切れ端を踏んだ。

 ゆっくりと足をのけた俺は声を失った。

 アイコ!

 去年、俺がつき合った女だ。
 しかもたった1回の浮気相手。アイコはその時に隠し撮っていた写真を、俺の当時の彼女に送りつけるというとんでもないことをしてくれた。おかげで俺はサヨコとも別れることになったのだ。自業自得かとは思ったが、あとから社の他の課のヤツも同じ目に遭ったと聞いた。アイコは常習犯だったらしいのだ。数回そういうことをやったあと、派遣の期限が切れるとともに姿を消した。
 写真には見覚えがあった。アイコの肩に回された手にはめられた腕時計は……。破られた左半分には俺が写っていたはずだ。

 なぜだ。あの写真がどうしてこんなところにあるんだ。
 いや、それだけじゃない。
 どうして、こう、何もかもが、俺に関係する紙切れなんだ!

          * * * * *

 俺は吐きそうな気分を抑えながら、その場に座り込んだ。
 右手が触れた紙切れに、ある企業の名前と、領収証の文字が見えた。

 もう分かっている。
 この紙片の続きには、俺が空領収証を使って懐に入れた金額が書いてあるに違いないのだ。



 うわーーーーーーーーー!!



 叫んだつもりが、声になっていなかった。

 ふと、頭上からサイレンの音が響いて来た。
 パトカーと救急車が、高速道路に数台とまっているらしい。

「なんか、トラックがスリップしたらしいよ」
「積んでいた荷物が道路に落ちたみたい」
「紙の業者だったんだって」
「運転手は無事みたい」
「紙、散乱して片付け大変だろうね」
「これがお札だったらねえ」
「今すぐに拾うけど」

 よく見れば、辺りに散らばる紙くずはどれも新聞紙と広告ばかり。
 俺が握っていたはずの紙片も、新聞の切れはしでしかなかった。

 風に飛ばされた古紙が、放心したままの俺のもとに、次々と降っていた。
 始業時間はとっくに過ぎていた。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)

この物語はフィクションです。
登場する場所のモデルはありますが、
登場する人物・団体名はすべて架空のものです。

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夢009話「盗賊トカゲ」
こんな夢をみた。

村に盗賊が出た。
村の宝を探り当てた二人組の盗賊は、その宝の呪いを受けて二匹のトカゲに変身させられる。
一人は青縞模様、もう一人は赤縞模様。
盗賊はトカゲのまま、姿をくらました。
いつか必ず戻ると書き残して。

この村の娘は、別の魔法にかかって石像になっていた。
石像だが、話をすることが出来た。
ある時、一人の若い男が通りかかった。
娘は石のままで、男に話しかける。

「二匹のトカゲが、近いうちに村に復讐しに来る。だから村を救ってほしい」

男はこの願いを聞き入れ、トカゲの行方を追う。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。

夢の中にいる、というよりは、夢を「映画のように見る」形でみていたもの。
そういうことなので、私自身の役は無い。
後半のお話に場面が移る前に、夢がさめてしまい、どうなったのやら分からないまま。

トカゲの復讐は何だったんだ?

呪いはどうなった?

石像の娘と若い男の行く末は?

このまま上手く膨らませれば、絵本にできるかも……?

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1000人目→1111人目のお題を募集
もうすぐ訪問者1000人目。

9/18にスタートしてから、毎日20人くらいの方が、一日平均50カウントくらいしていってくださいます。こんな拙い短編とそれに付随するエッセイ(かな?)を読んでいただいて、本当にありがたいです。

ということで、ここでプレゼント、というわけでは全くないのですが(笑)、

見事1000のキリ番を踏まれた方!

何か「お題(名詞なら何でも可)」とともにコメントかメッセージをいただければ、それでショートストーリーを書きます。

とここに書いてあることに気がついてもらえるのかどうか(笑)
というよりも踏んだことに気がついてもらえるのかどうか(笑)

とりあえず、チャレンジ。



・・・・・ってなことを書いて待ってみたら、いつの間にか1000を超えてました。
自分でキリ番を踏んだワケではないんですが(笑)

特にお題はいただかなかったので、
もう一度(笑)

次のお題キリ番は1111人目にします。
(懲りてません……笑)

キリ番踏んで、お題を出そうキャンペーンです(爆)
夢008話「緑の内職」
こんな夢をみた。

テーブルを囲んで4人で座っている。
私以外の3人は、普段飲みに行く知り合いばかりだ。

テーブルの上には、籠が置いてあって、中には深緑色のパチンコ玉程度の大きさのものが山盛り入っている。

その緑の玉を手に取る。
やわらかいプラスチックのような素材だ。
持っているナイフでくるくると削る。
驚いたことに、慣れた手つきの自分がいる。
他のメンバーも慣れている。

削っては隣の籠に入れる。
削っては入れる。
削っては……。


どうやら自分のしていることが、

そろばんの玉づくりの内職

であることが、分かってきた。

で、なんで私と友達はこんな内職をしているんだ?
聞きたいのだが、聞かせてくれない雰囲気がある。

仕方ないので、削り続ける。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。

どうしてそろばんの玉が緑色なのか、
については、まったく疑問に思わなかったこの夢……。

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あとがき風~no5.「灘駅のカケラ」
no5.「灘駅のカケラ」が生まれたエピソード。

JR神戸線の灘駅の古い駅舎が、南北通路整備と橋上化によって建てかわる、というお知らせを聞いたときに、真っ先にイメージしたのが、この形見分けのようなお話だ。

住んでいる場所が離れているので、私自身が灘駅を利用することは、さほど多くは無いのだが、「灘区」との関わりはいろいろな意味で深いので(というか灘で遊びまくっているので)、灘駅舎への思い入れは、私なりにあったといえる。

そういう思いで(どんな思いだ?)書いてみた。

あの駅舎が好きな人が、駅舎のカケラを持っていられるといいなあ。
私だったら、あのガラス窓のとこがいいなあ。
いや、構造体の古い異国の線路も捨てがたい。
跨線橋の木板もいいしなぁ。

そんなことを想像しながら。


そしてこのイメージ(妄想?)はさらに進行している(笑)
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夢007話「ママが……」
こんな夢をみた。

雑踏の中にいる。

どこかのショッピングモールのような感じだ。
たぶん、私は何かを買いに来ているのだ。

右斜め前方に、赤ん坊が乗ったベビーカーを押して歩いている若いお母さんがいる。肩よりも少し長い黒髪で、ゆるいウェーブがかかっている。20代の後半くらいに見える。赤ん坊はまだ1歳になっていないくらい。

今日は暑い。

私は持っていたタオルで汗を拭く。


突然、目の前にいた若いお母さんは、頭に手をあてると、髪を取り去った。

!!!!!

そう、お母さんはヅラだったのだ。

ヅラの下はきれいなスキンヘッドだ。

赤ん坊は母親の突然の変貌に驚いて泣き始めた。

通行人は誰も何も気にとめていないようだが、私は気になって仕方がない。
ドッキリなのか?
笑うべきところなのかもしれないが、あまりの驚きで声も出せずに、ただただ、立ち尽くしている。

母親は頭の汗を拭うと、またヅラをかぶり、何事も無かったかのように去って行った。

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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
去年の秋頃に見た夢。一体何があったのやら…。
夢の中といえど、ヅラの母親というのは衝撃でした(笑)

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no.5「灘駅のカケラ」
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 駅に近づくと、なぜか知らないがずいぶん長い行列ができているのが見えた。
 改札のあたりから、北側の広場をぐるっとまわるように、人の列が延々と続いている。

 何だろう。
 改札機が壊れてしまったのだろうか、誰か有名人でも来るのだろうか。

 私は列の一番後ろだと思われる人にたずねた。

「何の行列なんでしょうか」

 50代くらいのその男の人は私に言った。

「そりゃあんた、駅の行列に決まっとうやろ」

 駅の行列、と言われても何のことだかさっぱり分からない。

「駅の何の行列なんでしょうか」

 男の人は半ばあきれたように言う。

「何言うとんや。駅って言ったら駅やないか。ここや。この灘駅のことや。あんた、聞いてへんのか? この駅舎なくなるんやで」

 ああ、と思い当たる。そういえば南北に行き来できる通路を整備するとかで、この古い駅もS駅みたいに、改札を橋上化することが決まったという新聞記事を読んだ気がする。
 そうか、そうなったら今の駅舎はなくなるということになるのだ。

「俺が生まれる前からずっとこの建てモンやからな。なんややっぱり寂しいわ」

 たしかに、この正面の大きな、かまぼこのような形の飾り窓を、毎日見ながら私も暮らしている。ホームの上の橋を(跨線橋というそうだ)毎日渡って仕事に行っている。そっか、無くなるのか。改めて思うと、不思議な感情が湧いてきた。

「それで、この駅舎がなくなるのと、この行列と、どういう関係があるんですか? 何か記念品でも配っているんですか? 記念切符でも出るんですか?」
「まあ、記念品みたいなもんやなあ。並んでたら分かる。この駅、名残惜しい思うんやったらここ並んでたらええわ」

 そう言った時に、また列が進んだ。中年男性はそれきり話をやめてしまった。
 私は訳の分からないまま、でも急ぐ用事があるわけでも無かったので、そこに並んで行列の先頭にたどり着くのを待つ事にした。

          * * * * *

 列は意外と早く進んだ。いつの間にか、私の後ろにも行列が生まれている。ほどなくあと十人程度になり、改札のところで駅員が何かを渡しているのが見えてきた。一つの改札口を占領してこの行列用に使っているのだが、乗客は誰も文句を言う様子は無い。よく見ればその改札にいる駅員の制服だけが他の駅員とは違っていた。年の頃は30代前半くらいに見えるその駅員が着ているものは、何となく、詰め襟の学生服を思わせた。

 そうこうしているうちに、前の男性の番になる。

「これは、改札を入ってすぐの階段の左側の壁です」
「おう」

 男の人は、手に渡されたものを大事に布にくるんで去って行った。あまりに素早い動作で、一体何が手渡されたのか、やはり見えなかった。

「次は、はい。ではこれです。あの大きな窓のガラスです」
「え?」
「手を出していただけますか?」
「あ、はい」

 慌てて差し出した手の平に、それは、のせられた。
 窓のガラス、と言われたそれは、やはり影も形も無いものだった。それでも私がそれを受け取ったのは、見えないそれに、しっかりとした重量があったからだった。あわてて両手で支えたほどだった。

「あの、これ」
「え? すみません。場所は選べないんです。どこか他の部分がよろしかったでしょうか」
「いえ、そうではなく、これは一体……」

 少し訝しげな顔をした駅員は、すぐにああ、と声をあげた。
「事情を詳しくご存知ない方でしたか。後ろのお客様もいらっしゃるのであまり詳しくはご説明できませんが、これは確かに大窓のガラス片です。このまま大事に保管しておいていただければ、のちにお分かりになります。どうか大切に扱ってあげてください」

 駅員の滑らかな説明。それでも意味は半分も理解できなかった。
 ただ、柔らかなその駅員の表情を見ていると、それでもいいかという気になって私は手のひらのガラス片(と言われたもの)をハンカチにくるんで、持ち帰った。

          * * * * *

 それは突如、姿を現した。手のひらにおさまる、おせんべいくらいのガラス片。少し煤けているけれど、きれいな透明のガラス。

 テレビの前に置いて旅行に出かけた私が、家に戻って来た時だった。
 たしかに、ガラス片だった。持ってみるとあの時と同じ重みを感じた。

 そうか。こういうことだったのか。

 新大阪からJRで帰って来た私は、灘駅で下り立って知った。
 解体が始まっていた。あの大窓は影も形も無かった。

 きっとこうやって、行列に並んでいた人に、それぞれ、駅のカケラが渡ったはずだ。あの日の行列は、駅の引換券を渡していたんだ。

 あの日の駅員の顔が浮かぶ。懐かしい、優しい、笑顔だった。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)

この物語はフィクションです。
登場する場所のモデルはありますが、
登場する人物・団体名はすべて架空のものです。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

夢006話「攻撃と逃亡」
こんな夢をみた。

外に出かける。
パチンコ屋が四方に立ち並んだ交差点にいた。

突然、黒いものが飛んで来る。

VHSビデオテープである。

いくつもの四角く黒いテープが、こちらに向かって飛んで来る。
かなりの勢いである。
必死で避けていると、こんどは

大量の編み棒が攻撃を仕掛けて来る。

こちらもまたすごいスピードで、刺さったらとんでもない事になりそうだ。
テープにも編み棒にも意思があるかのごとく、次々に飛んで来る。

避けるのにも限界がきたので、ふと空を見上げると、雲の切れ間、はるか上空にビルの影が見える。まるでこちらの世界が鏡に映ったように、ビルの屋上や家々の屋根や車が通る道路が見えている。

私は、ゆっくりとしゃがむと、勢いをつけて、空に向かった。
スピードは大したことはないが、上手く空中に飛び上がる事が出来た。

そのまま私はまっすぐに天のビル群に向かっていく。
まるで頭から世界に墜ちていくように。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
「ビデオテープ」と「編み棒」という訳のわからない組合せの敵(?)。
夢の中といえど、自分に向かって何かが飛んでくるのは、結構恐怖。。。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

本002話『どんぐり民話館』(星 新一 著)
小学校低学年の時に、とある場所で、手に取ったものが、
ショートショートの巨匠・星新一氏の『どんぐり民話館』だった。


昭和58年に新潮社から刊行された単行本(上記リンクは文庫本)。
まだ低学年だったし、おそらく最初はタイトルのほんわかさに惹かれて、「童話みたいな話」だと思ったのだろう。
むろん、その時に星新一のことを知っていたわけでもない(というあいまいな記憶)。

『どんぐり民話館』は、童話なんかでは無かった。(ある意味、大人の童話かもしれないが)
そして私は、このショートショートの世界に陶酔した。。。
というのはちょと大げさかもしれないが、でも本当に、気に入ってしまい、何度も何度も読み返した。
この場所には時々出かけていたのだが、そのたびにこの本を手に取っていた。
実際、持って帰ろうか、、、とまで思ったほどだ(笑)
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

あとがき風~no.4「彼の苗木」
読んだ知り合い(男)が「1年も音信不通の彼は酷い」という感想をくれた(笑)

短篇「彼の苗木」のことである。

たしかにそうかもしれない……か。
今ならこんなことはありえない……か。
おそらく、女性がさっさと見切りをつけるだろう。

でもごくたまにはこういう人もいるかもしれない。
そういう世の中の数パーセントの人を描くのが好きだ。

私の作品に出て来る人物は、男も女も、ドライであっさりし過ぎている。
と言われることが多い。
ドライな付き合い、ドライな恋愛、ドライなセリフ、ドライな行動。

もう乾燥しまくりである。

おそらく私自身のサバサバした性格が、大きく影響している。
ちょっとはウェット系を書いてみるか?
きっと、面白くない話になる気がする。

書き物をする、というのは、何にせよ自分を切り売りすることだ。
ならば出来るだけ自然にはがれるところを、今は切り取ってみようと思う。

とはいえ、別に自分の恋愛体験を書いているわけではないので、あしからず(笑)


ちなみにこの話は、8~10年前くらいに書いたもので、当時は携帯のメールなどもまったく当たり前ではない時代だった。携帯電話さえ、そこまでメジャーでも無かった。だからエアメール(手紙)で違和感は無かったのだが……。
今の時代設定で書くために、彼はメールをしない人に設定しなおしたのだ。
何かの本で読んだけれど、今の時代、「連絡がとれない設定」にすることが非常に難しい。でもそこから生まれるストーリーもある。ということだ。

数年前に書いたものに手を入れると、いろいろな発見をする。
元は、もっと短い話だったのだが、主人公の女性の「生き物を育てられない」(これはまさに私だが…笑)という性格設定と、写真が同封されているという話を、今回の掲載にあたって加筆した。

わずかだが、話にふくらみが出て、効果としてはよかったかな、と思っている。

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

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