よくもまあこんなぴったりな写真があったことよ(笑)、とお思いの方もいるかもしれませんが・・・。
本編で使用している写真↑は、兵庫県立近代美術館(神戸市中央区海岸通)で撮影したもの。
よくはおぼえてないけれど、2003年1月のもので、触ったり参加したりする現代美術展覧会だったように記憶している。
写真のものは、紙くずを上からばらまくインスタレーションみたいなものだ。
撮影等は自由だった。
別に隠し撮りしたわけではない(笑)
この写真データを先日久しぶりに見たとき、ビルの間の空から紙くずが舞って来るビジュアルが立ち上がり、その紙を手に取る主人公が浮かんで、そんなたまたま手にした紙切れに、自分と関わりのあることが記されていたらどうだろうと考え、そこから生まれたのが「紙が……」の話。
思考回路が普段からSFがかっているトコロがあるので、物語はこういう終わり方になるわけだけれど、推理系の人ならば、この事件(自分に関連した紙切れが落ちて来る)についての理由を最後に明確に出して、ああそういうことだったかとオチをつけるかもしれないし、ここから何か事件を起こすかもしれない。はたまた、彼の友達が仕組んだ大掛かりなドッキリという考え方もあるし、紙自体に何か仕掛けがあって手に取った本人の記憶を見せるというのもアリかもしれない。
同じ写真を見て、同じビジュアルの書き出しを思いついたとしても、その物語の行く末は、書き手によって必ず変わる。
どんな絵や写真やヒトやモノにも、
無限大の物語が潜んでいることを、
こういう時にとても実感する。