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書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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no.24「クロ丸の長いさんぽ」
クロ丸_沖縄竹富島猫
(写真:沖縄・竹富島で昼寝中の野良猫)


 川沿いの桜の木の下で、白黒のノラネコが目をさましました。左目の上にある黒いブチ模様が、きれいなまんまるの形をしているので、いつの間にか『クロ丸』と呼ばれるようになり、今ではすっかりその名前が定着していました。
 季節は、桜の葉っぱが生い茂る初夏でした。少し日も傾いてきたので、クロ丸は散歩にでかけることにしました。
 大きなあくびをひとつ。のっそりと立ち上がると、伸びをしてから出発します。
桜並木を抜けて、家の塀に飛び乗ります。耳をそばだてて、塀から塀へと機嫌よく歩いていると、どこからか小さな泣き声が聞こえてきました。

            * * * * *

「ん? 誰か泣いているのかな」
 クロ丸は声のする方へ近づいていきました。そこは駅前の自転車置き場でした。入り口にある柵にひっかかった、水色の小さな帽子がしくしく泣いているのです。帽子はクロ丸よりもずっと年下のようです。
「どうして泣いてるのさ」
 クロ丸は聞いてみました。
「ぼくね、今日ね、幼稚園の帰りにね、風に飛ばされて迷子になっちゃったの。おうちに帰りたいようー」
 そう言うとまた、ぐすんぐすんと泣き始めました。帽子にはマジックで名前が書いてあるのですが、残念ながらクロ丸には文字を読むことができません。そのうち帽子がかわいそうになったクロ丸は思わず、「よし、俺にまかせておけ」と言ってしまいました。でも本当はクロ丸にも、どうしていいのかよく分かりませんでした。
「とにかく探しにいこう」
 そう言ってクロ丸はひょいとその水色の帽子を口にくわえると器用に背中に乗せ、歩きだしました。
            * * * * *

 しばらく行くと、庭の鉢植えに水をやるタキばあさんが、いつものように花の世話をしています。
「おばあさん、こんにちは」
「あら、クロ丸。今日はどうしたの、帽子なんて被って」
「この子、迷子なんだ」
「まあ。この色は孫の持っているのと一緒ね。きっと近くに住んでいるわよ。ここに『さかもとゆうや』って書いてあるわ」
 ネコと話せるタキばあさんのおかげで、帽子の持ち主が分かりました。クロ丸はお礼を言ってまた歩いていきます。
 コンビニエンスストアがありました。天気がいいのにカサ立てに透明のカサが一本あります。ちょっと悲しそうです。
「雨があがったら、俺のことをここに捨てていっちまったんだぜ。さびしいなあ」
 カサが言います。
「きっとまた誰かが使ってくれるって」
 クロ丸ははげましながら、帽子のことを聞いてみました。でもカサは何も知りませんでした。
 気を取り直して、またクロ丸は進んでいきます。帽子はクロ丸の背中に安心したのか、泣き疲れたのか、すうすうと寝息をたてています。
さくら団地の近くにやってきました。古い電信柱の下に来ると、クロ丸は、とんとん、と電柱をたたきました。
「ほお、クロ丸、珍しいのう」
 電柱のおじいさんは、町内一の物知りです。さっそくクロ丸は帽子のことを話します。
「ああ、そういえばなあ、もみじ団地の男の子が帽子をなくして泣いてるという話を、今日仲間の柱に聞いたのう」
 それだ! と思いました。
 ありがとうございます。と言い残すと、大急ぎで、もみじ団地に向かいました。さくら団地の隣の隣にあるのです。

            * * * * *

「あっ、あの子だよ!」
 いつの間にか目をさました帽子がさけびました。
 団地の公園にはたくさん子供たちが遊んでいるのに、一人だけブランコに乗ってべそをかいている男の子が見えます。どうやら、ゆうやくんのようです。
 クロ丸はそっと近づいて行きました。するとそこに風がさっと吹いてきて、帽子を男の子の前に連れていってくれました。
「あっ、ぼくの帽子だ!」
 うれしそうな顔になった男の子と帽子を見ると、クロ丸は「にゃあ」と鳴いて帰っていきました。
 帰り道にとめてある車のタイヤでちょっと爪をといでいると、にわか雨がふってきました。軒で雨やどりをしていると、透明のカサをさした男の人が通りました。
 どうやらあのカサにも新しい持ち主が現れたようです。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)

この物語はフィクションです。
登場する場所は実在しますが、
人物・団体名はすべて架空のものです。
写真はストーリーのイメージ源になったもので、内容とは一切関係ありません。

少しいつもとは毛色の違うものをご紹介しました。子供向け、です、いちおう。笑
実は今日、沖縄から帰ってくることになっていまして(笑)、記事は旅立つ前にサーバに保存しておいたわけです。
沖縄つながりということで、以前、沖縄旅で撮影した猫写真を使いました。
文の方は、童話系のコンクール用に書いたものです。落ちましたけどね。笑
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夢048話「消えた先生」

こんな夢をみた。

高校生の修学旅行の引率をしている。

どこに向かっているのかはよく分からないが、
船を乗り継いで行くようなところだ。

しかし。

船の乗り継ぎの途中で、
一人の教師がこつ然と消えた。
あとには2つのカバンだけが残された。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
先生消息不明事件は解決しないまま、目覚めてしまいました。
私の脳内世界では、この事件の続きが展開されているのでしょうか。
それは謎。笑
本009話『恐怖コレクション』阿刀田高 著
本_恐怖コレクション


選りすぐりのホラーやブラックユーモア作品を紹介している本である。
50以上の作品が引用されて登場する。
「夢十夜(夏目漱石)」「変身(カフカ)」「杜子春(芥川龍之介)」など、よく知る作品も多いが、この本で初めて知る作品も数多くあった。
海外の作家をあまり読まない私が、「これ読んでみたいな」と思える海外作品と出会える貴重な場にもなった。

この本の魅力は、ただ本の説明をするのではなく、著者・阿刀田氏自身の体験や考えや作品なども交えたエッセイ仕立てになっているところである。
それが、「これ面白そう」感をさらに引き立てる。
ホラーやブラックな作品の入門書として、すごく充実した一冊だ。

ところどころにはさまれた、和田誠氏のイラスト(ドラキュラ?や魔女など)も一緒に楽しめるというオマケつき。笑
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 恐怖コレクション(文庫版)
 阿刀田高 著
 昭和60年4月発行
 新潮文庫 320円

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これまでに読んだ本のコトをつらつらと紹介していきます。
旅立ちます(また。笑)
月曜日から3日間ほど、沖縄に行きます。
29~31日は神戸不在。
今年の沖縄初め。笑
いやー、いくら行っても飽きません。笑

紺ノ短篇集の記事更新は変わらず行います。
以前なら、「旅に出るのでお休みしまーす」というところですが、ブログのシステムでタイマー保存ができるので、最近はサーバに貯めて、指定した時間に公開するようになりました。

と、いうことで、
月~水の更新記事はすでに保存済み。
月曜日の本の紹介や水曜日の短篇も更新されます。

ぜひぜひお立ち寄りください。笑

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

夢047話「人魚」
こんな夢をみた。

海のすぐそばに住む男。
浅瀬で人魚と暮らしている。
しかしこの人魚を狙うものが3人いる。

一人は、男の妻。
あとの二人は、近くに住む男女。

男の妻は、水中で掃除機をかけるような、
ちょっと変わった人である。
そしてその掃除機に罠を仕掛けて、
夫を陥れようとしているのである。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
私自身は何をしていたのかというと、出演者ではなく(むろん、人魚でもなく、笑)、あくまで観覧者としてことの成り行きを見守るような感じでした。
即興TOWN #03「COLLECTION」
即興TOWN_collection


切手でも、犬でも、車でも、おもちゃでも。

なんでもいいのだ。

とにかくこのまちの人たちはみな、

集めることが大好きで、

物心ついた頃から、集めることに目覚めてしまう。

でもよく見れば、家の屋根がきれいに虹色に並んでいたり、

ショッピングモールの店の名前が

アルファベット順になっていたりする。

住人は自らそうしたと思い込んでいるが、

家も店も、自分自身すら、このまちの収集物となっていることに、

気がついていない。
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collection【カレクシュン】
[名] (1)集めること (2)収集物、コレクション
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これは5分で作る即興掌編。
書いたら最後、手直しは一切無し。
さて、どうなるのやら。。。

◎条件(手順)は下記の5点。
手順1:辞書からAからZがつく単語を1分以内に選ぶ。
手順2:その単語を架空のまちの名前とする。
手順3:架空のまちのお話を4分程度で書く。
手順4:字数は100字程度。
手順5:書き直しは一切しない。
猫写真(淡路島産)
仕事で淡路島の南のはしっこ、南あわじ市の伊毘というまちへ。

そこの海水浴場のそばのコミュニティセンターにいたのがこの猫。

淡路猫01
伊毘はいぶし銀の淡路瓦産地としても有名なところで、このセンター前の花壇も瓦を使って装飾している途中。


どうやらシャムの血が入っているらしい。

淡路猫02
寒いのをガマンして目を閉じると、顔が真っ黒で目鼻がよく分からない。笑


近づいてみても、やっぱり分からない。笑

淡路猫03

ずびっ、と音がして、鼻水が……。(私の、ではなく、猫の)
この猫、どうやら風邪をひいているようで。

野良猫業も大変だ。
no.23「昼寝」
昼寝_魚崎の瓦屋根
(写真:神戸市東灘区・魚崎にある瓦屋根の家)


 昔から、屋根にのぼるのが好きだった。
 春の日ざしを受けた瓦の上に横になると、背中からじんわりと暖かさに包まれる。

 やっぱりいいな、ここは。

 俺の実家はマンションだったが、隣接した一戸建ての家は立派な瓦屋根だった。マンションの二階から、その瓦の上に飛び移ることができたので、よくそこで昼寝をした。
 気がつけば、近所の野良猫も少し離れたところで丸まって寝ていたりした。

           * * * * *

 30歳を過ぎたいい大人になっても、やっぱり昼寝は瓦屋根が一番だと思っている。特に旅先でいい案配の瓦屋根を見つけると、のぼりたくてしょうがなくなる。
 とはいえ、身長180センチのいかつい男が屋根にのぼろうとしてたら、通報されるのが関の山だろう。
そう思って、会社の昼休みに河原の土手で寝転がることで、我慢をしているのだ。

 猫はいい。人の家の屋根にのぼっても、誰にとがめられることもない。
休みの日に、近所の喫茶店でモーニングを食べながら、人の家の瓦屋根を見てそんなことを考えていた。屋根の上では、真っ黒の猫が手足をだらんと伸ばして寝ていた。

「猫がうらやましいですか」

 隣のテーブルに、いつの間にか一人の紳士が座っていた。
 きれいな標準語、白くて立派なひげ。70代後半くらいだろうか。仕立てのいいグレイのスーツがよく似合っていて、見た感じはきちんとした印象だ。
 そのせいかは知らないが、突然話しかけられたにも関わらず、俺は普通に返事をしていた。

「うらやましいです。ああやって屋根に自由にのぼれるとこなんかが」
「それなら」

 一呼吸おいて、紳士が言う。

「猫にしてさしあげましょう」
「は?」
 意味が分からず俺は変な声をあげた。
「正確には、猫になれる力です。ずっと猫というのはお困りになるでしょうから、一日に一回、三時間だけというのはどうでしょう」
「どうでしょうって、一体何を……」
「私がやるように手を組んでいただけますか」
 穏やかに話しているのに、なぜか逆らえない雰囲気があった。
 俺は見よう見まねで紳士の手の形をまねた。
「そしてこの言葉を唱えてください」
 そう言うと、俺の耳元である言葉をささやいた。俺が復唱しようとすると、しっ、と止められた。
「ここで言ってはいけません。人に見られてしまいますから。いいですね。くれぐれも人の目が無いところでなさってください。それから時間が来る前に人に戻りたい時は、しっぽの先を軽く噛んでください。お分かりでしょうけれど、それも人気の無い場所で。それでは私はこれで」
 ここまで一気に説明すると、紳士はするりと席を立ち、店から出ていった。

 後に残されたコーヒー代を払う羽目になったが、もし紳士が言っていたことが本当ならば、安いものだと思った。

 俺は、いそいそと家に帰り、部屋のカーテンを閉めて、先ほどのやり方を試してみた。ダメで元々だ。

「・・・・・」

 変化は一瞬だった。
 おしりがむずがゆいと思ったら、立派なシマシマのしっぽが生えていた。鏡に映った俺は、見事に虎猫になっていた。
 さすがに驚いて声をあげると、もう声は人のものではなくなっていた。少し怖くなって、慌ててしっぽの先を噛んでみた。

 途端にあくびが一つ出て、もう俺は人間に戻っていた。

 何日か変化を試して、ちゃんと人間に戻れることを確認すると、もう安心した。服を着たままで変身できるのは好都合だった。

           * * * * *

 週末は猫になって、瓦屋根での昼寝を謳歌した。
 古い家並みが残る場所に旅をしてみることもある。

 気をつけなければいけないのは、猫社会のルールやなわばりを乱さないことと、屋根の上で人間に戻ってしまわないようにすることくらいだった。しかしそれは大して苦にならなかった。
 猫の方も俺を異質だと思うからか、近寄ってこないし、三時間のタイムリミットが来る前に必ず目が覚める。
 最初はどうなることかと思ったが、今ではこれほど自分にぴったりとくるものはない。ストレス解消にももってこいで、仕事の能率まであがって、同僚が不思議がった。もちろん友達だからと言ってこの趣味を話すわけにはいかないのだが。

 ある長期出張先で、俺はこれまで昼寝をした中で、一番だと思える瓦屋根に出会った。仕事のやりくりをして二日に一度はその瓦で寝そべり、日々を過ごした。
 そして珍しいことに、俺に興味を持つメス猫があらわれた。おそらく猫としては美人の、白猫だった。

 人間の時にはさっぱりモテなかったというのに、猫に惚れられるとはどんなもんかと思うが、まんざら悪い気はしない。
 俺は猫になっている間、そのメス猫との交際を楽しんだのだった。
 ほどなくさかりの季節というものがやってきた。猫ならば猫のルールに従うか。俺は勝手な理屈で自然のなりゆきに任せたのだった。

           * * * * *

 長期出張から戻って、またしばらく近所で週末猫を楽しむ日々が続いた。
 ちょうど1年ほどたった頃だ。一人の女が俺を訪ねて来た。肩まで伸ばした髪と自然な化粧には好感をおぼえたが、初めて会う顔だった。

「久しぶり。似てるわね、やっぱり」

 そう言って、彼女は抱いていた赤ん坊と俺の顔を見比べた。

 その瞳に見覚えがあった。あの時のメス猫だ。人の姿で人の子を生んだということは、俺と同じように例の力をもらったのかもしれない。ということは猫では無かったわけで、それならば猫の俺に興味を持ったのも分かる気がした。
 子どもの手をそっと握って見る。たしかに俺の血をひいているという感触が、肌を伝わってきた。不思議なものだ。

 それが今の女房となった。
 俺の人には言えない趣味を、唯一理解する女だ。彼女は子どもを生んでから猫になる能力が消えたと言っている。聞いたところ、彼女に力を与えたのは俺の時とは違って老婦人だったという。やり方もまた、俺のとは違っていた。
 もしかしすると、世の中にはまだまだ同じ能力を持つ人がいるかもしれない。そう思うと、近所の野良猫を見る目も少し変わってくる。

 俺は今でも時々猫になって屋根にのぼる。ただ、ずいぶんと力が弱まったらしく、月に数回程度しか変身できなくなった。子どもが大きくなったら、このやり方を試させようと思う。力を受け継ぐかもしれないのだ。

 小さな寝息を立てて眠る息子の髪を撫でながら、俺は女房に聞いた。
 長い間、気になっていて、でも何となく聞きそびれていたこと。
 どうして俺の居場所を知り得たのか。

「そういうのは匂いで分かるもんなのよ」

 女房の顔が、一瞬、猫に見えた。
 女の嗅覚というのは、恐ろしいものである。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)

この物語はフィクションです。
登場する場所は実在しますが、
人物・団体名はすべて架空のものです。
写真はストーリーのイメージ源になったもので、内容とは一切関係ありません。

瓦屋根に寝転んでたのは、実際に私の思い出でもあります。
そういうのんびりとしたイメージで書きはじめたので、後半の展開は自分でも予定外でした。笑

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

夢046話「おわかれ」
こんな夢をみた。

その小学校で、ある生徒が亡くなった。
病気だったそうだ。
まだ1年生だった。

小学生が亡くなると、学校の敷地にある火葬場で火葬にされるのが、習わしとなっている。
教室の中に置かれた棺を囲んで、クラスのみんなで最後のお別れをする。
おりがみで作られた色とりどりの花を、ひとつづつ、手向けていく。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
夢自体はそれほど暗いものではなかったのですが。
たぶんテレビで見たいくつかのニュースが複合されてこんな夢になったのかと。
ちなみに私はクラスの副担任、という位置づけでした。
本008話『ニシノユキヒコの恋と冒険』川上弘美 著
本_ニシノユキヒコ


文庫になるのを、ずっと待っていた。
(置き場と予算の都合で単行本をどしどし買うわけにはいかないのである
。笑)

姿も体もイイ男、ニシノユキヒコ。
女に優しく、懲りない男。
そして最後には必ず去られてしまう男。
大人であり子どもであり。

ニシノユキヒコが中学生の頃、大学生の頃、社会人、おじさんになってから、幽霊になってから。
彼がつき合った10人の女性の思い出で綴る、ニシノの人生。

そんな話である。

もうどうしようもない男なのに、読んだ女性読者の大半が、どうしようもなく惹かれてしまう男。
男もどうしようもないけど、女もどうしようもないなあ、などと思ってしまう。笑


もし彼が実在したら、どうだろう。
やっぱり私も彼に惹かれてしまうかもしれない。笑
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 ニシノユキヒコの恋と冒険(文庫版)
 川上弘美 著
 平成18年8月発行
 新潮文庫 438円(税別)

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これまでに読んだ本のコトをつらつらと紹介していきます。
最近手に入れた猫モノ
猫に過大なる親近感を抱き(向うがどう思っているかは別として)、野良猫の写真を撮り続けている私は、猫グッズもいろいろ持っています。

ただ、猫グッズって、生身の猫とは違ってすごく好みがあります。

猫モノなら何でもいい、わけではないのです。笑

特にキャラクター的なカワイイ猫グッズは苦手でして。
だからキティーちゃんを集めたりはしてないわけです。笑

持っているものは、いろいろです。

白黒の猫置物(東南アジア雑貨っぽい)、中国っぽい招き猫、猫のランプ、猫のポストカード(これは買ったりもらったりするのでいろいろあります)、猫の根付、猫のブローチ(京都の木彫り職人が作ったというシロモノでかなりのお気に入り)、猫の鍋掴み、猫の手ぬぐい、猫のマグカップ(割りましたが。涙)、猫の指環、猫のペンケース(ぬいぐるみみたいな白猫)・・・。

使うというよりも、いつか猫写真展を再びやる時に展示できるように、コレクションとして集めている感じです。

今年(2007年)になって手に入れた猫モノはこれ。

●猫おみくじ。

まねき猫

→中が空洞になっていておみくじが入っていました。中吉でした。おみくじを出した後は、招き猫として使えます。焼き物。幸せ座布団つき。表情があまりにゆるくて、毎日撫でております。笑


●猫ポストカード

猫ポストカード01

→ポルトガルに行った知人のおみやげにもらいました。壁面のタイル模様に、凛とした猫が似合いすぎてます。
夢の記録
ブログの記事用と小説のネタ用と、脳の活性化のために(笑)、毎晩みる夢(でネタに使えそうなモノ)を記録しておかねばならないわけです。

起きた瞬間は記憶も鮮明ですが、書き留めなければ記憶は曖昧に、二度寝すればほぼ忘れてしまいます。
ということで、枕元にメモ用紙とペンを置いているわけです。
起きてすぐに記録できるように。


ところが。


時々、夜中に目が覚めて書き留めると、文字がとんでもないことになってたりします。笑
暗い中、手探りで書いている上に、半分寝ぼけているわけなので、朝起きてから見てみると、それは、もう。。。

 なに書いてるのかさっぱり分からんっっっ。

文字も重なってぐちゃぐちゃになっていて(真っ暗な中で字を書いてみると、こうもバランスが崩れるのかと…)、内容も支離滅裂。笑

でも夜中に見る夢、ネタとしてはかなりイケてることが多いのですけれど。笑
即興TOWN #02「BITTER」
即興TOWN_bitter


そのまちは、毎日が冬だった。

気温は氷点下で、吹雪や嵐も頻繁に起こる。

だから農作物もそれほど穫れないし、

海が荒れるので、大した漁もできない。

最低限の食事で、最低限の生活をして、

みなが、厳しい日々を送っている。

それでもこのまちを離れることができない人々の、

最大にして唯一の楽しみは、

違うまちや異国に旅をすることで、

そのための資金だけは、まちからたっぷりともらえるという。
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bitter【ビター】
[形] (1)苦い (2)(寒さ・痛みなどが)ひどい

※辞書の誤字を見つけてしまいました。
 形容詞の意味に[名]ってついてます。笑
 名詞ならば、苦さ、になるはずなんですけどね。w
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これは5分で作る即興掌編。
書いたら最後、手直しは一切無し。
さて、どうなるのやら。。。

◎条件(手順)は下記の5点。
手順1:辞書からAからZがつく単語を1分以内に選ぶ。
手順2:その単語を架空のまちの名前とする。
手順3:架空のまちのお話を4分程度で書く。
手順4:字数は100字程度。
手順5:書き直しは一切しない。
夢045話「生け花」
こんな夢をみた。

朝、母が仕事にでかける時に、
「これ、生けておいて」
と言い残して、半分枯れて腐った花束を置いていく。

私も大学に行かねばならないのだが(夢の中で大学生になっている)、その花束を放っておくわけにもいかず、台所の流しのところで、腐った花を選り分ける作業を始めた。

花束は両手で抱えるほどの大きさだが、使えそうな花はそれほど無い。
色とりどりの花を剣山にさしていくと、時間が見る間に過ぎて行く。
もう午前中の授業は間に合わない。
そう思って、学校に行くのを諦めることにした。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
1週間くらい前に、冷蔵庫の水菜の一部が傷んでいたことと、その日に見たドラマの中で花を生けるシーンがあったことが混ざって、今頃夢になったようです。

脳というのはつくづく面白い生き物で。笑
no.22「壁に熊あり」
壁熊_王子動物園
(写真:神戸市灘区・王子動物園内の熊の絵)


 最近、動物の絵を、自宅の外壁に描くのが流行っている。
 まちを歩けば、あちらにはシマウマ、こちらにはライオン、そちらには白鳥の群れ、あのレッサーパンダだって。
 さながら動物園にでもいるように、壁にはリアルな動物たちが描かれている。

           * * * * *

 そもそも発端は、高柳小夜子という占い師だった。

「守護動物で、運気を上げる」

 それが彼女の宣伝文句だ。
 守護動物は、誕生日や住んでいる場所によってこと細かに定められていて、それはインターネット上の彼女のサイトで調べることができた。
 守護動物は、「ラッキカラー」や「ラッキアイテム」などとは違う。例えばゾウのグッズを身につけても意味が無かった。

 今住んでいる家のどこかに、できれば原寸大で描くこと。

 それが最も効果があるとされた。
 また、より本物らしく描けば描くほどいいということで、そのための下絵になる画像データも、インターネットで入手できた。
 守護動物は「ミナミシロサイ」「グリーンイグアナ」「アムールトラ」「フンボルトペンギン」といったように、種類がきっちり指定されていたのだ。

 そんな手間のかかる守護動物が、一般に広がるとは到底思えなかったのだが、ある女優が一気に日本中に広めることになった。

 地味でたいした役をしていなかった女優の狭間みどりが、自邸の外壁にジャイアントパンダの双子の絵を描いてしばらくして、なぜか映画の主役に抜擢されたのだ。そして彼女は期待を裏切らない演技で、一気にその名を全国民に知らしめることになった。
 彼女がブログで「守護動物」のことに触れた途端、密かな噂程度だった高柳小夜子の名は、みどり同様、日本中に知れ渡った。

 高柳小夜子は、テレビや雑誌などには一切登場しなかったが、彼女のホームページとインターネットラジオは瞬く間にアクセス数を稼いだ。守護動物を唱えるだけあって、動物の声色が非常に上手いことでも人気を博した。

 自分の家を所有するものは、みどりを真似して外壁に描くことを好んだ。賃貸でそれは難しいものは、家の中のふすまなどに描いた。
 絵が苦手な人も多いので美大生がアルバイトで駆り出されて行った。よりリアルに表現できる絵の具などという、怪しげな商品も流通した。いつの世でも便乗商売をするものはいるのである。

           * * * * *

 サブロウとその妻も例外ではなく、この守護動物にハマった。
 ちょうど自分の家を建設中だったため、出来上がったら真っ先に描こうと、準備をしていた。完成する頃には、もう世の中の半数以上の人が守護動物を描いているくらいに、広まっていた。

 サブロウと妻の守護動物はクマであった。正確には、「ツキノワグマ」と「エゾヒグマ」。
 彼は多少絵の心得もあったので、ホームセンターで黒と白と茶の絵の具を入手して、自ら壁に二種類のクマを描いた。なかなかの出来である。

 その夜は、妻と二人で祝杯をあげた。ちょうど二人の結婚記念日でもあったからだ。インターネットラジオからは、高柳小夜子の番組が流れていた。

 そして夜も更けた頃、スピーカーから低い声が聞こえた。

「交代だ」

           * * * * *

 翌日、全国の動物園から、すべての動物が消えた。
 朝は首都圏の動物園の事件だと思われていたのが、徐々に全国のどの動物園にも起こっている現象だと分かりはじめて、大騒ぎになった。

 しかし動物の行方も、真相も、誰にも分からなかった。
 ただ、全国あちこちの壁に描かれていた、守護動物たちもきれいに消えていた。
 夜中に、壁から動物が抜け出たものを見た、などという噂も流れたが、しょせん噂に過ぎなかった。

 さらに、時同じくして、高柳小夜子の消息も途絶えた。そもそも彼女の姿を見たものは誰もおらず、捜そうにも顔すら分からなかった。

 何も解明されないまま、今では、高柳小夜子は実は存在していなかったバーチャル占い師だったのではないか、という話もささやかれるようになった。

 サブロウと妻は、時々近所の動物園に出かけている。

 動物園から動物が消えた日、代わりに檻の中の壁には、その動物の絵が残されたのだ。サブロウが描いたクマたちは、この動物園の中にいた。

 今、動物園は、「動物壁画館」として静かに営業を続けている。
 案内人を務める元飼育員の話では、新月の夜には、檻中の動物の絵が動くのを見ることが出来るという。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)

この物語はフィクションです。
登場する場所は実在しますが、
人物・団体名はすべて架空のものです。
写真はストーリーのイメージ源になったもので、内容とは一切関係ありません。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

夢044話「ざぶとん」
こんな夢をみた。

空を飛んでいる。

それほど高いところを飛んでいるわけではない。
それほど速いスピードで飛んでいるわけでもない。
眼下の屋根の上で昼寝をしている白黒の猫が見えるくらいだ。

飛んでいる、といっても。
飛行機に乗っているわけでも、
羽根が生えたわけでもない。

座布団に乗っているのだ。

えんじ色の、和室に似合いそうな座布団に正座したまま、ただただ私は、前方に進んでいる。
どこに行くのかはさっぱり分からない。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
気がついたら飛んでいた、というところしか憶えていません。
最初にどうやって乗ったのか、どこからどこへ行くのか、ストーリー性が皆無です。
ただ、飛んでいるのは気持ちよかったのですけれど。笑
本007話『失はれる物語』乙一 著
本_失はれる物語


多彩な作品を書く乙一の、短編集。
書き下ろしを含め、8作品が収録されている。

単行本の時に、本屋で見かけて、タイトルの付け方がいいなあと思った記憶がある。
文庫になってやっと手にしたわけだが、中でも一番印象に残った好きな作品は「傷」である。

様々な問題のある生徒が集まる特殊学級に入れられた小学生のオレと、その特殊学級に転校して来た、他人の傷を自分に移動させるという不思議な力を持つアサト。

いつもながら、設定の面白さに引き込まれる。

でもこれは、
二人の少年の、絆と痛みと再生の物語なのだ。
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 失はれる物語(文庫版)
 乙一 著
 平成18年6月発行
 角川文庫 552円(税別)

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これまでに読んだ本のコトをつらつらと紹介していきます。
夢043話「追って、追っ手」
こんな夢をみた。

私はある人を追わなければいけない。
その人は男の人で、中年で、黒っぽい服を着ていて、ヒゲは生えていない。
背はそれほど高くない。
別に悪いことをした人、というわけではない。
でもなぜ追わなければいけないのか、私にもよく分からない。

ただ、どうしてもその人をつかまえて、聞きたいことがある、気がするだけだ。

その人は私の50mくらい前を行く。
走れば、その人も走る。止まれば止まる。

どうしても追いつけないのだ。

階段をあがったり、塀の上を歩いたり、トンネルをくぐったり、私はどこまででもその人を追っていく。

ふと後ろを見た。

ものすごい数の人が、行列をなしている。
私の後を追って来たらしい。
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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
夢判断とかをすれば、ずいぶん意味がありそうな夢です。

出演者の中に、

一人も知った顔が無かった

のも不気味。笑
もろもろ整理。
まだ微々たる整理ですが、新しいカテゴリーをつくったりしました。


○ 変更点など ○

その1:一画一話を毎週水曜日更新に。5の倍数日更新のペースがちょっとしんどいかも、と思ったことと、更新ペースをつかみにくかったことを受けて、週に1度のペースに変更。

その2:即興TOWN AtoZ:即興練習をするための場所。英単語を都市の名前に見立てた即興掌編。昨日からスタート。時々更新。笑
イメージ写真に使っている辞書は百円ショップで入手。最近の百均ってスゴイですね、何でもあって。笑

その3:猫も杓子も:猫ネタのページを独立させてみました。歩いていて出会った野良猫画像なども時々アップされるかも、しれません。

あとは夢日記や創作話や雑談をはさみつつ、気長にやっていきます。
ちなみに、「ゆめうつつ(夢日記)」は夢百話までは続けたいと思っています。
また、「本のハナシ(読んだ本の紹介)」でも画像を一部紹介できればと。

以上、変更点のお知らせでした。
これからもよろしくお願いします。
即興TOWN #01「ABOUT」
即興TOWN_about


そのまちはおおよそ

東京とニューヨークの

中間くらいの大きさで、

どのくらいの人が住んでいるのかを

誰もちゃんと知らないし、

物差しというものも、

一の位も小数点も、

存在しないと言われている。

そしてどこにあるのか、

皆、だいたいの場所しか知らないのだ。

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about【アバウト】
[前] (1)…について (2)…のあたりに
[副] (2)約、およそ (2)まわりに、あたりに
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これは5分で作る即興掌編。
書いたら最後、手直しは一切無し。
さて、どうなるのやら。。。

◎条件(手順)は下記の5点。
手順1:辞書からAからZがつく単語を1分以内に選ぶ。
手順2:その単語を架空のまちの名前とする。
手順3:架空のまちのお話を4分程度で書く。
手順4:字数は100字程度。
手順5:書き直しは一切しない。
夢042話「猫4匹」
こんな夢をみた。

友人の家に遊びに行くと、猫が4匹もいる。
白、黒、白黒、キジトラ。
どれもまだ子猫である。
2匹は友人が飼っていて、2匹は実家の猫だという。
白地に黒のブチがある猫が一番好奇心が旺盛で、私になついてくるが、そのうちに噛んだり引っ掻いたりしてくるので、本当になついているのかは分からない。

ほどなく、散歩に出ようということになり、友人と猫4匹と連れたって外に出る。線路沿いにぶらぶらと歩いている。
猫は首輪もしていないし、野放しなので、そのあたりの野良猫と区別がつかない。

5分もしないうちに小雨がぱらついてきた。
降りが段々強くなって来たので、私と友人は近くのアパートの一室に避難して、猫たちには屋根のある場所に行くように指示している。
猫は散り散りばらばらになる。
ちゃんと戻ってくるのか、少し不安に思いながら後ろ姿を見送った。

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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
猫が出て来る夢は久しぶりに見た気がします。
しかも4匹いっぺんに。
友人の家という設定ですが、中に入ると私の家と同じつくりでした。
そこまでの想像力は無かったようです。笑
no.21「浴槽」
浴槽_須磨水族園タコ
(写真:神戸市須磨区・須磨水族園のタコ)


 浴槽にたこが住み着いた。

 たこというのは、つまりは蛸と書くあれのことで、八本足のマダコである。
住み着いたというのは、あまり正しい表現ではない。夫が、もらいもののマダコに情が移ってしまい、さばけなくなった結果である。
 夫は生きているものに対して、必要以上に優しくなってしまうことが時々ある。
 普段は、魚や鴨をとても器用にさばく人なのだ。年に数回、食材をペットのように愛おしむ現象が起こるだけ。彼はそうすることで、私には見えない何かのバランスを保っているらしい。だから私は特に口出しはしない。

 でも今回はちょっと困ったことになってしまった。
 まず、マダコを入れておくものが無いので、浴槽が占拠されてしまったこと。
 そして、いつもなら丸一日もたてば気持ちもおさまって、また食材という本来の姿に戻るはずなのに、今回に限って、たこは三日たっても夫のペットで居続けたこと。

           * * * * *

「どうすんの?」
 さすがに私も聞いてみた。
「何だか、なついちゃったし、ねえ」
 どこがどうなついているのか、分からない。夫独自の感覚である。
「でもお風呂、ずっと使えないのは困る。銭湯はキライじゃないけどさ。それにちょっと磯臭くなってきたのも気になるし」
「うん、分かってる。いっそのこと海に放してやるほうがいいのかなぁ」
 そう言いながら、夫は少しさびしそうだった。
「それにしても、こんなトコで飼われていて、まったく弱らないのも不思議ねえ」
 そんな会話をよそに、たこは手足を伸ばして寝そべっていた。

           * * * * *

「何か、昨日よりやせてるんだけど」
 次の日、夫が言った。たこのことである。
 私もどれどれと浴槽をのぞいて、あ、と声をあげた。
 たこは明らかに小さくなっていた。痩せた、というよりは、縮んだ、という方がぴったりきた。縮小レンズで見たように、手足もイボも目も頭も、ひとまわり小さくなっていた。

 たこの縮小化は日に日に進んだ。エサを食べないわけでも無いのだが、ものすごいスピードで、小さく小さくなっていった。

 5日もすると手のひらサイズになった。玄関に置いてある小振りのガラスの花瓶でも十分なくらいの大きさである。
 これくらいになれば飼っていてもさほど困らないかもしれない、と私はその時思ったのだが、翌朝、たこは浴槽から消えた。

           * * * * *

 浴槽の底にある栓が抜かれていた。今朝はきっと排水の穴でも抜けれるくらいに小さくなっていたに違いない。
 「自分で抜いたのかなあ」と、夫はぬるぬるとした排水栓の鎖を持って言った。
「あなたが放せなくなっちゃったから、自分で出て行ってくれたのかもしれないね」
まるで親離れする子どものように。
「そうかなあ。あいつ、下水に入っても大丈夫かなあ」
「あんな変わった生き物、そうそう死なないと思うよ」
 私は本気でそう思って、夫に言った。

 浴槽は、磯の香がした。たこはもういない。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)

この物語はフィクションです。
登場する場所は実在しますが、
人物・団体名はすべて架空のものです。
写真はストーリーのイメージ源になったもので、内容とは一切関係ありません。

タコの水槽の写真を見ながら、これが家にいたらどうだろう、と考えていたら、するするとストーリーが決まりました。
タイトルが「たこ」でも「蛸」でもなく「浴槽」なのは、このストーリーの要は「浴槽」という場所である、と私が思っているからです。
最初と最後の一文が、それぞれ自分では気に入っているトコロ。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

本006話『当世 悪魔の辞典』別役実 著
『当世 悪魔の辞典』別役実 著。

尊敬すべき、別役実氏の著作である。
王国社の単行本と朝日文庫の文庫版がある。
この方のセンスには本当に学ぶべき事が多い。

これは小説ではない。辞典である。
ストーリーも無いし、決まった読み方も無い。
帯の言葉を借りれば、「正しいものの見方教えます。」

ここで内容を細かく書くのは控える。

ひとつ項目を書き出しておくとすれば、
やはりこれになるだろうか。

***************

【作家】さっか

文明社会の、情報化が進むと、あらゆる人間が作家となることを期待し、間もなく、書き手の方が読み手より多くなることが予想される。
つまりその段階で、書き手は職業であることを失い、逆に読み手が職業となるのである。


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これまでに読んだ本のコトをつらつらと紹介していきます。

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

夢041話「とっておき」
こんな夢をみた。

初対面の人が、内緒でとっておきの話を教えると言って来た。
男のようだが、女にも見える、ちょっと怪しい雰囲気の人だ。
やせ型で髪は黒く短い。目つきがするどいのも怪しさを倍増する。

しかしその「とっておき」に心を動かされ、ついつい耳を貸してしまった。

「じつは」

耳元でそうささやいたその人は、

突然私の横顔に噛み付いて来た。

「しまった」と思ったが、もう遅かった。

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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
別段、噛み付かれても痛くはなかったのですが、そこで目が覚めたので続きがどうなったのか分からずじまいです。笑

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短篇更新ペース
短篇の掲載、昨年は5日に1話のペースで、9月から年末までに20話のオハナシを書きました。

これはたぶんどっかで息が切れる気がします。笑

そんな危険な予感を年末ひしひしと感じたので(^ ^;)、少しだけペースダウン。
ある程度は即興で作るための練習でいいだろうと、最初は思っていたのですが、実際に書いてアップしていくと、やっぱり公開するからにはあまりに雑なものは出したくないなあと、コダワリが出てまいりました。笑
あと、5日おきというペースが、意外と掴みにくい自分に気がつきました。

そのようなワケで、

短篇は、

毎週「水曜日」更新


といたします。
この方が何かと分かりやすいので。

カテゴリーの整理は、この土日に少しじっくり考えるつもりです。
短篇のテーマにも変化をつけるかもしれません。



今日は短篇更新では?
と思ってのぞきに来られた方。
すみません。

来週の10日(水)までお待ちください。

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気がつけば。
次のお題を出そうキリ番キャンペーン(笑)は、3333アクセスかな。
などと書いたのが、10日ほど前。


いつの間にか、3410になっておりました。
どっかで踏まれたようです。笑

キリ番お知らせ、分かりやすいようにプロフィール欄に入れてみました。
効果のあるなしは何とも。笑

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夢040話 初夢その3

こんな夢をみた。

学校の校庭に十人くらいの女性が並んでいる。
誰の命令か分からないけれど、
全員がバレエのステップの特訓中だ。

延々とステップ練習が続き、
気がつけば先頭の一人が、空に向かってのぼっていくところだった。

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これはいつぞや見た夢のデキゴトです。
2日に見た夢も初夢というそうなので、これも初夢となるようです。
こんどの内容は、ちょっとはいい解釈をしてよいもの・・・なのでしょうか。笑

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夢0039話 初夢2題
「歯」

こんな夢をみた。


歯が何となくしくしくと痛む。
上の犬歯あたりの歯である。

鏡を見ると、やはり欠けている。
虫歯になってしまったのだろうか。

目をこらしてみると、
欠けた穴からネジのようなものが見える。
この歯は義歯だったのだろうか。
それとも私が機械なのだろうか。

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「男」

こんな夢をみた。


気がつけば家の中に初老の男がいる。
母も私もその人を追い出したいのに、
なかなか出て行く気配がない。

母は、いくつかの記事を切り抜いた穴だらけの新聞を男に渡して、暗に「帰れ」と主張している。
しかし男は鈍感で、それどころか薄汚れたコートのままでカーペットに横になろうとする。
私と母は半ば諦めの境地である。

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これは今朝の初夢(一応)です。

「歯が欠ける夢は、直面している問題を受け入れがたいこと、新しい経験をよく理解できないことを表す」という解説があるサイトに書いてありました。
男の出て来る夢も困惑の相を呈していますし、
どうやら私の2007年はいろいろ悩むところからのスタートなのかもしれません。笑

まあ、夢のデキゴトですけれど。笑

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あけましておめでとうございます。
摩耶山・初日の出2007
(写真:神戸市灘区・摩耶山上から、今日の初日の出


新年が明けました。
正確にはお風呂の中で新年を迎えました。笑
大晦日の晩にお風呂に入って、一年を振り返ってみたりしたのでした。笑

昨年9月からスタートしたこのブログ、いろいろな方に見ていただきました。

ありがとうございました~

<2006年はこんな年でした>
・朗読会で作品を読んでいただいたり、
 朗読会案内その報告

・なだたまにリンクしてもらったり、
 灘のグローカルサイト・灘魂(ナダタマ)

・キリ番でお題を募集したり、
 no.12「むこうむきうざぎ」
 →no.20「日曜の朝」


・ヘンな夢もたくさん見ました。
 ゆめうつつシリーズ



2007年になったので、何かリニューアルしたいなあと、思っています。
まだ予定の段階ですが。笑

でもとにかく、書くこと。
それに尽きる気がします。

今年もたくさんの物語を紡げますように。

みなさま、本年も紺ノ短篇集をよろしくお願いします。

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