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書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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箱入り掌編5つ、あります。
ちょっと忙しくしていたら、ブログの更新がまた1ヶ月空いてしまいました。汗

6月(今月)は摩耶山リュックサックマーケットでの物語屋の出店にも行かず仕舞いでしたので、5月のリュックサックマーケットで使った、根寄木細工のに入った物語をここで公開しようと思います。

お題をもらって創作したものではありませんが、「の中」という統一テーマで即興で作ったものではあるので、即興MENUの番外編という感じで。


では、ちいさなちいさな入り物語を、どうぞ。w
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箱入り掌編001
『動物園』


箱をあけると、

そこは小さな小さな動物園だった。

檻に入った小さな小さなアライグマの子どもの元に、

小さな小さなイノシシのお母さんが、

毎日毎日、通ってきて、かいがいしく世話をしている。

そんな動物園だった。

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箱入り掌編002
『黒い布』


箱をあけると、

黒くて分厚い布ぎれが一枚入っていた。

さわってみると、手触りがとても懐かしい。

しばらくすると、

何年も前に、何年も着て、

捨ててしまったコートの布だと思い出した。

黒い布ぎれは、意志を持ったかのように、

箱から飛び出すと、

踊りながら、どこかへ消えて行った。

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箱入り掌編003
『結婚式』


箱をあけると、

結婚式をやっていた。

中にいた新郎新婦が、

立ち会い人になってほしいと頼んできた。

二人の姿は小学生にしか見えないのだが、

箱の中のことだから、そういうこともあるだろうと、

立ち会い人を引き受けた。

むろん箱の外からである。

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箱入り掌編004
『カニ』


箱をあけると、

中から次々と、カニが現れた。

小さなカニが、際限なく、あふれてくる。

呆然と箱を持って時が経つのにまかせていると、

やがてカニの発生は止まり、

さざ波が聞こえてくるので、箱をのぞくと、

そこに海が出現していた。

カニたちは、また次々と箱を目指して集まり、

全員、海へと帰っていった。

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箱入り掌編005
『ゴルフ場』


箱をあけると、

緑の芝生が輝いていた。

ゴルフ場である。

ハンチング帽をかぶった男の人たちが、

悠々とゴルフを楽しんでいるので、

しばらく眺めていたら、

「ボールが飛ぶから、閉めてくれ」

と、声をかけられた。

名残惜しいと思ったら、

そっとふたを閉じた。
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テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

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