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書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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摩耶山リュックで即興物語を5編
全てアップするのに2週間もかかってしまって申し訳ありません~(汗)
お山の上での即興創作、8/21の分をようやく5つすべて掲載できました。
「手紙が届いた」からはじまる小さなお話たちです。


●即興MENU2-023「色鉛筆」

●即興MENU2-024「ネックレス」

●即興MENU2-025「キーホルダー」

●即興MENU2-026「ハーブティー」

●即興MENU2-027「青い財布」



今回もわりとファンタジー度が高めです。
よろしければ読んでみてください♪

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★9/18開催の「文化祭」もよろしくお願いします!

【告知】「文化祭」にて書き下ろし作品朗読!
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思いついたコトバ、物語のフレーズ、ヒトリゴト、妄想、想像、即興話など、紺色のヤールー(沖縄の方言でヤモリのこと)となって、気ままにつぶやいております。毎日は無理なので数日おきとかですが(笑)
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テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

即興MENU#2-027「青い財布」
即興2-27_青い財布

 手紙が届いた。
 財布の中に入っている赤いメモ用紙をある人に届けてほしいと、書いてあった。
 どうにも奇妙なことになってきたな。

           * * * * *

 事のはじまりは、青い財布を拾ったことである。
 もちろんすぐに交番に届けるつもりだったのだが、財布から一枚のカードが落ち、そこに何と、拾い主にあててのメッセージが書いてあった。
 ランダムな数字が並んでいて、財布を拾ったらそこに電話してほしいとあったので、かけてみたのだ。もちろん落とし主につながると思っていたが、電話に出たのは男とも女とも分からない不思議な声で、お手紙を送ります、とだけ言って切れた。
 そして本当に、その手紙はやってきたのだ。

 赤いメモを届けた先で、また一枚のメモを渡された。
 それには、財布の中のカードをどこそこへ届けてほしいとあり、そうやって配達員みたいなことを何度かくりかえした。
 私もちょっとお人好しなところがあったので、そのメッセージの注文を受け続けてしまったのだが。


           * * * * *

 ある時、渡されたメモには、地図が書かれていて、そこに財布を埋めてほしいとあった。その頃には財布の中身はほとんどなくなっていた。

 埋めるための穴をほると、また一枚のメモが出てきて。そこにはこうあった。

「ここまでいろいろありがとうございました。財布を落としてこの世を去り、どうしても心残りな伝言を誰かに伝えてほしくて、こんなことをしてしまいました。お礼に一番小さいポケットの中のものを差し上げます」

 拾った時は空だったポケットの中には、きらきらと光る小さな金貨が一つ入っていた。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「手紙が届いた」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “手紙が届いた”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…AEGさん
[お題]…青い財布
[創作日]…2010年8月21日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


青色がお好きなお客さまから、青い財布をお題にいただきました。
私も青系の色は大好き!(ペンネームが紺ですからね~♪)
財布に入っているいろんなものを届ける役になった主人公はなかなか大変だったと思いますが、落とし主の人生を少し垣間見れたのではないでしょうか。
あ、金貨の数え方は「一つ」より「一枚」ですよね…(苦笑)

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

即興MENU#2-026「ハーブティー」
即興2-25_ハーブティー

 手紙が届いた。もう十年以上も顔を合わせていない旧友からだ。
 年賀状だけはやりとりしているが、そういえば今年のには何か新しい仕事をはじめると書いてあった。それがこれか。
 オレはもう一度その手紙---彼がオープンしたハーブティーショップの案内---に目を通した。

           * * * * *

 次の休みに店へ出かけてみた。五十をこえたオッサンがハーブティーなんて、どうもしっくりこないので、のぞいてみたくなったのだ。

「おお、やっぱり来てくれたか。久しぶりだな」

 しわと白髪とぜい肉は増えたが、なつかしい顔がそこにあった。
 おまえ、今、困ってること何かないか、と彼は聞いた。いきなり何だよと思いつつも、何となくついつい、会社の部下とうまくコミュニケーションがとれないことや、妻の誕生日に何をプレゼントしていいのか分からないことや、そういう悩みをぐちってしまった。

 一通り聞くと、彼は店のカウンターに入り、何やらハーブの調合をはじめた。
 しばらくして、はい、これ、と、甘い香りのする赤いハーブティーを出してくれた。わけのわからぬままに、それを飲み干すと何となくスッキリした気分になった。

           * * * * *

 帰ってから、オレの悩みはなんとなく解決の方へ向かいはじめ、ようやくあのハーブの効能に気づいた。

 あいつの店、これから繁盛するだろうな、と思った。
 
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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「手紙が届いた」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “手紙が届いた”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…常連のTさん(男性)
[お題]…ハーブティー
[創作日]…2010年8月21日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


いつもご来店いただくTさん、今回は赤くて不思議な雰囲気を醸し出すハーブティーを持参です。
ハーブティーって、気持ちが落ち着いたり、よく眠れたり、いろいろ効能があるわけですが、人間関係をうまくおさめてくれたりといった、もっと違った部分での効能があれば面白いなぁと、書いてみました。
このハーブティー屋のオッサンは、そういうものを感じ取って葉っぱをブレンドできる特殊技能の持ち主ってワケですね(笑)

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

即興MENU#2-025「キーホルダー」
即興2-26_キーホルダー

 手紙が届いた。ヨーロッパの田舎町に住む親せきからである。
 海外に来る機会があれば遊びに来ればとのことで、ちょうど夏休みにヨーロッパのいくつかの国をまわる一人旅をする予定だったので、泊めてもらうことにした。

 親せきの家に泊まって二日目、近くの森を散歩していると一人の老人に出会った。彼が腰から下げたキーホルダーがとてもきれいな細工物だったので、どこで手に入るかたずねてみると、「これは買うことのできないものだ」と田舎なまりの言葉で返された。

 老人の話によれば、こんな事情だった。

           * * * * *

 老人は小さな庭のある家に住んでいた。
 花や木が大好きで、庭はいつも花が咲き乱れ、木々が青々と茂っていた。
 まるで我が子のようにどの花もどの木も心をこめて、大切に大切に育てていた。

 だから時折、寿命で木が枯れたりすると、それはそれは悲しみ、泣き明かすこともあった。

 ある日、長く生きた木が一本、枯れてしまった。寿命だったのである。

 老人の落ちこみようは、これまでにないほどひどかったので、町の人々も心配したのだが、どうすることもできなかった。
 三日三晩泣いて過ごしたあと、老人は枯れた木の根元に小さな葉っぱを見つけた。金属でできたそれは、細かな葉脈まで彫刻されていて、老人は枯れた木の最後の一枚と同じ模様であると気がついた。

 木から老人への、最後のおくりものだったのである。

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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「手紙が届いた」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “手紙が届いた”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…ガラス作家の男性
[お題]…キーホルダー
[創作日]…2010年8月21日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


リュックサックマーケットでその日に購入されたというキーホルダーをお題として、お買い上げいただきました。
繊細な細工の花と葉っぱは、まるで、本物から写し取ったようでした。
植物って、言葉は話せなくても、きっと通じるものってありますよね。
私は植物の世話は苦手なのですが、植物のエネルギーにはいつも驚かされて、そこからたくさんのものをもらってる気がします。
文末あたりの「最後の一枚」は「最後の一葉」にしたほうがよかったなぁと今更ながら思うのですが、即興モノのご愛嬌としていただきましょう~。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

即興MENU#2-024「ネックレス」
即興2-24_ネックレス

 手紙が届いた。いつものようにアクセサリーのパーツが、説明文もなく入っているだけのもの。
 差出人の名は無く、最初は気味が悪いと思ったけれど、宛名書きの文字はとても美しく、何となく悪い人ではないかもという気がして、そのままにしておいた。

 手紙はいつも土曜日の午前中に来た。
 いろんなパーツがたまってきた頃、ふと、つなげてみてはどうかしらと、思いついた。昔、ビーズアクセサリーなどを作っていた時のことを思い出しつつ、カットガラスや金属の輪っかなどの、送られてきたパーツを順につないでみた。

「あ、何かいい感じかも」

 その後もパーツが届くたびにつなぎ、何となくどこかの雑誌みたい(ほら、毎月買ってプラモデルとか作るのがあったでしょう?)と、おかしくなりつつ、三ヶ月も続けた頃に、とうとう最後のパーツらしき留め具が届いた。
 完成させてみてから思った。
 そうだ、明日のコンクールにつけていこう。

           * * * * *

 翌日の日曜日は、アマチュアピアノコンクールだったのだ。
 いつか優勝したいと思いつつ、なかなか願いは叶わなかったのだが、その完成したネックレスをつけた私は、なぜかとても落ち着いて演奏することができ、見事トップの座を手に入れた。

 知りあいが声をかけてきたので、「このネックレスのおかげかも」と手をかけようとして、いつのまにかそれが消えてしまっていることに気づいた。

 あの手紙は神様からのおくりものだったのかしら。
 それは今でも分からないままだ。

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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

【作品DATA】

本日の創作メニューは「手紙が届いた」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “手紙が届いた”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…空音矛さんのお母様
[お題]…ネックレス
[創作日]…2010年8月21日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


「色鉛筆」のお題を下さった空音矛さんのお母様がお買い上げくださいました。
身につけておられた存在感のあるネックレス、見ていたら、パーツが組み上がっていくイメージが浮かんできて、こんなお話になりました。
主人公に届いたネックレスは、神様からのごほうびだったのでしょうか?
そこは皆さんのご想像で!

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