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書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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摩耶山リュック(非公式)で3作品
110917即興看板

またもや降水確率50%に泣かされてしまい公式中止となった、9月17日(土)の摩耶山リュックサックマーケット。

といっても、いつものことで「非公式」にはやっちゃうわけで、物語屋も山でゆるゆると出店してきました♪

常連の方、最近リュックデビューされた方など、20組くらい?来ていたかな?
チャイ飲んで、ペンネ食べて、ワイン試飲させてもらって、差し入れもらって、時々書いて、おしゃべりして。
ピクニック感が出て楽しい集いでした(^^)
摩耶山上では、晴れ間もあれば、雨も降り、霧も流れてきて、自然にどっぷりつかった感じです。

そうそう!
今夏に元町で開催された「写真展・摩耶山リュックサックマーケットの人々」で展示してもらっていたスナップを、カメラマンさんにいただきました!(嬉)
浴衣姿で原稿用紙にペンを走らせているトコを撮っていただいたもの。
めちゃくちゃうれしいです!

そんな中で3作品。
お二方は初来店、お一人は常連さん。

●即興MENU#3-032「心ノ話」

●即興MENU#3-033「砂ノ話」

●即興MENU#3-034「福ノ話」



書き出しはすべて「稲妻」です。
個人的には調理しやすい書き出しで、脳内イメージがむくむく湧いて楽しめました♪
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テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

即興MENU#3-034「福ノ話」
即興3-34_福

 稲妻にうたれたのが、はじまりだったという。

 正確には、雨やどりをしようと入った丸くて大きな岩穴で、その岩に雷が落ちたのであった。
 男には特にケガもなく、ただ稲光りとともに少しだけ気を失っていて、目覚めたら何となく違和感を感じたのだった。

 村に戻ってから、男はむしょうに甘いものが食べたくなった。それも大福を、である。
 今まで甘い菓子は苦手でめったに食すことはなかったのに、稲妻にうたれてから、一日三食が大福となり、そのうち味にもこだわるようになり、ついには自分で作り大福屋を開くまでになった。

 舌がたしかな男の大福は、それはそれはおいしく、店はどんどん評判となり、のれん分けをした店をあちこちに出すほどになったのだった。

 これもあの時の稲妻のおかげかと、男は例の岩穴に出向くと、高く積んだ大福の山をお供えした。

           * * * * *

 今でも人気の老舗の大福屋の、そもそものはじまりは、こういうことだったという。
 
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「稲妻」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “稲妻”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(漢字ノ話・五十三次シリーズ)

[お客様]…初来店の女性
[お題]…福(ふく)
[創作日]…2011年9月17日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台


※摩耶山リュックサックマーケットは雨天で公式中止となりました。
 が、自主リュックで集まったメンバーで自主開催しました♪


お名前から一文字、いただきました。
福の神とか、もうちょっと縁起のいい話になりそうなものですが、あえて食べ物路線で「大福」です(笑)
ま、商売繁盛なので、ある意味縁起もいいわけですがw
稲妻と大福。
縁の無さそうにみえるこの組合せが、生み出したお話。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

即興MENU#3-033「砂ノ話」
即興3-33_砂

 稲妻である。
 バリバリという音とともに光っている。
 その様子はまるで、夜空をさいているようである。

 黄色やオレンジや、時には紫や緑色の稲光りまで見ることができる。
 そういう夜は、皆、次の日を心待ちにしている。

           * * * * *

 夜明けと同時に、海岸には少しずつ人が集まりはじめる。
 まわりがすっかり明るくなる頃には、かなりの人出である。

 ほほう、とか、いいねなかなか、とか、ちょっといやされるわ、とか、あの色が好き、とか、口々に感想を言う。

 砂浜には様々な色で細かな絵が描かれているのである。
 どうやら、稲光りが砂浜に落ちて、こんなことになるらしいのだが、どんなしくみなのかは誰も調べようとはしない。
 へんなせんさくをして、この現象が見られなくなる方が惜しいのである。

 昼を過ぎる頃には、風に飛ばされるのか砂絵はあとかたなく消える。
 でも絵を見ることができた人たちは、少しだけ幸せな心持ちで一日をすごす。
 
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「稲妻」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “稲妻”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(漢字ノ話・五十三次シリーズ)

[お客様]…常連Tさん(男性)
[お題]…砂(すな・さ)
[創作日]…2011年9月17日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台


※摩耶山リュックサックマーケットは雨天で公式中止となりました。
 が、自主リュックで集まったメンバーで自主開催しました♪


カラフルな稲妻+砂=砂絵というビジュアル図式が浮かんだので、こんなお話に。
砂浜に描かれた絵は、何か具体的な絵柄ではなく、抽象的な文様みたいなイメージです。
そういえば、私の作品は色を扱うことが多い気がします。
作品の着想がビジュアル的だからかもしれません。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

即興MENU#3-032「心ノ話」
即興3-32_心

 稲妻が、また光った。
 方角も同じである。

 月に何度か、雷雨の夜、いつも同じところで稲光りを見ることに、男は気がついた。
 明らかに落ちたであろうと思える、激しい光と音。
 あの下に何があるのか、次第に気になるようになり、ある夜、男は稲妻めざして出かけた。

           * * * * *

 そこは小さな村であった。
 一軒の民家にほんのりとあかりがともっていて、そこからうれしそうな声がもれている。
 同時に、この世に生を受けて精一杯泣き声をあげる赤ん坊の、産声も。

 この村では、稲妻が光り村の大木跡に落ちる時に必ず、子どもが生まれるという。

「天の神より心をさずかることで、はじめて産声をあげるのじゃよ」

 村の長老は、男にそうおしえてくれた。
 大木の切り株は、どれほどの雷を受けても、決して焼けたりすることは、ないという。

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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「稲妻」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “稲妻”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(漢字ノ話・五十三次シリーズ)

[お客様]…初来店の男性
[お題]…心(こころ・しん)
[創作日]…2011年9月17日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台


※摩耶山リュックサックマーケットは雨天で公式中止となりました。
 が、自主リュックで集まったメンバーで自主開催しました♪


雷で生を受けるという着想は映画「フランケンシュタイン」あたりからのイメージです。
電気エネルギーでどうのこうのではなくて、天と地をつなぐ糸のような感じで、考えてみました。
作中の大木は、跡となった切り株よりも、大木そのままが残っていて絶対に枯れないし焼けないし、みたいな方がちょっと神秘的でよかったかな~と思ったり。
でも執筆中、手が「跡」という字を書いてしまったのでw、流れにまかせました(^^)

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

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