FC2ブログ
書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Twi-Story41「恩返し」
季節外れの蚊がいたので潰してやろうとしたら「殺さないで」と懇願された。
お腹に卵を抱えているらしい。
何か恩返しでもしてくれるのかと尋ねたら一刺しして去っていった。
なんてことだ、と憤慨していたら翌年からは蚊に全く刺されない。
あいつの一刺しで体質が変わったらしい。


==========
Twitterでつぶやいた小さなお話。
スポンサーサイト

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

Twi-Story40「赤い毛糸」
旅の途中で石の祠を発見した。
石の継ぎ目から赤い毛糸がひょろりと生えている。
引っぱると延々と糸が出てくる。私は夢中になって引っぱり続けた。
暗くなる頃にようやく終わった。
振り向くと糸は赤いマフラーに姿を変えている。
それを祠のお地蔵さんに巻いて、一礼して私は去った。


==========
Twitterでつぶやいた小さなお話。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

Twi-Story39「どんぐり」
どんぐりの季節になると私は森に入る。
シイの木に魅入られた妻が木となり森にいるのだ。
もう3年が経ち木は彼女の原型をほとんどとどめていない。
しかし妻はそこにいる。
根元に散らばるどんぐりを拾い集め箱に入れて優しく振ると、木の実は懐かしい妻の声で私に話しかけてくれる。


==========
Twitterでつぶやいた小さなお話。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

Twi-Story38「春」
嵐の夜にこつんこつんと窓を叩く音。
あけて見ると小さな春の子どもたちが泣きそうな顔で立っている。
高い空で遊んでいたら冬の嵐に巻き込まれてしまったのだという。
私は家の中に招き入れた。春の子は楽しげに部屋を飛び回る。気づけば体が暖かい。
今宵だけ、小さな春が来たようだ。


==========
Twitterでつぶやいた小さなお話。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

Twi-Story36「扇風機」
古い扇風機の羽根が毎朝一枚ずつ増えるという怪異が発生中だ。
目が覚めると一枚、増えているのだ。
おそるおそる回すと、森林の香や海の香などいろんな空気を日替わりで発する。
ありえない密度の羽根になってもまだ回っていたが、八月最後の朝に羽根は全部落ちた。まるで枯れたように。


==========
Twitterでつぶやいた小さなお話。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

Twi-Story37「茶柱」
急須からお茶を注ぐと茶柱が立っている。
縁起がいい、と思ってよく見れば、茶柱ではなく細い細い魚が立ち泳ぎをしているのだった。
飲むのを躊躇していると、魚が言った。
「よかったらそこの浜から海に流してもらえないかね」
ふむそれがよかろう、と私は湯呑みを持って夜の海へ出かけた。


==========
Twitterでつぶやいた小さなお話。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

Twi-Story35「砂」
夜道の自販機で見慣れぬペットボトル入りの水を買った。ラベルは南国。
帰宅して飲もうとすると潮の匂いが鼻をつく。
思わず落としたボトルからこぼれたのはさらさらの砂だ。
砂はシンクを満タンにした。シンクにのぼる。
足を入れるとずぶずぶ沈み指先に海を感じた。そして私は砂の中へと消えた。


==========
Twitterでつぶやいた小さなお話。


テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

Twi-Story34「山の上のポスト」
「山の上のポスト」01:山の上の小さなケーブルカー駅には、小さな赤いポストがある。昔は使われていたらしいのだが、今はもう駅のオブジェのようなもので、郵便の集荷が来ることはない。ひっそりと駅の片すみで立っているだけだ。そのポストに、手紙を投函する人がちらほらと出はじめた。


「山の上のポスト」02:駅員の見ていない間に、そっと入れていくのだ。どれも出したくても出せなかった手紙で、皆それぞれの思いや願いをこめて、伝えられなかった言葉を、赤いポストに伝えていた。何かのジンクスを信じているかのように、次々に投函されていく手紙。


「山の上のポスト」03:手紙を出すためにケーブルカーに乗って山に登って来る人も少なくなかった。手紙は増え続け、とうとうポストいっぱいになる日が来た。その日の夜、赤いポストはカタカタと小刻みに揺れた。


「山の上のポスト」04:揺れがおさまると、どこからともなくメエメエという鳴き声、そしてポストにあいた四角い口から白くて小さなやぎたちが、次々に這い出してきたのであった。夜中のケーブル駅では、やぎで満杯になった無人のケーブルカーが静かに動きだした。


「山の上のポスト」05:手紙をくわえた小さなやぎが、夜中に町を歩いているのを見たものもいた。やぎはどこに向かったのか。手紙の思いは送り先に届いたか、あるいはむしゃむしゃとやぎが食べてしまったか、それは誰にも分からない。


==========
Twitterでつぶやいた小さなお話。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

久々の公式!摩耶山リュックで4作品
最近、雨率の高かった摩耶山リュックサックマーケット。

久しぶりに公式開催となりました!

といっても、途中ちょっとパラパラ小雨もあり、霧も出て、やっぱり摩耶山らしい天候でしたw


着いてすぐにお客さま!
その後も、わりと立て続いて、4作品を書きました。

111015即興看板


今回は食べ物出店が少なめでしたが、私は知り合いMさんにいただいたふかしさつま芋でばっちりエネルギー補給いたしました(笑)


●即興MENU#3-035「椿ノ話」

●即興MENU#3-036「鞄ノ話」

●即興MENU#3-037「医ノ話」

●即興MENU#3-038「縁ノ話」



書き出しはすべて「どんぐり」で、そのせいか森の場面が多々登場しますw

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

即興MENU#3-038「縁ノ話」
即興3-38_縁

 どんぐりがまつられている神社というのも、なかなか珍しいのではないかと思われる。

 交通の便があまりよくない上に、村にはその神社以外に大して見るものはないのだが、毎週末になるとそこそこ人がやってきて、お参りをしていくのだ。

 縁むすびにご利益があると、とある女性雑誌に載ったことがきっかけとなり、有名になったのだ。

 落とした財布をさがしに来た男と、拾って届けた女とが、交番で出会ったことが縁でつきあうようになったり、レストランで隣の客の注文がまちがって運ばれてきて、その隣の客というのが数年ぶりに会う同級生で、すっかり盛り上がって恋人になってしまったり、偶然のひきあわせが多いのだが、かなりの確率で出会いがあるのだそうだ。

           * * * * *

 そもそもその昔、森を歩いていた見知らぬ男女に、同時にどんぐりの実が落ちてきて、それをきっかけに最後には夫婦(めおと)になったとかいう、一風変わったいわれが残されている。

 今の神社は、その森があったところで、社の奥にはその時の二つのどんぐりが、まつられているとのことだ。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

【作品DATA】

本日の創作メニューは「どんぐり」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “どんぐり”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(漢字ノ話・五十三次シリーズ)

[お客様]…TSUBAKIの店員さん(女性)
[お題]…縁(えん・ゆかり)
[創作日]…2011年10月15日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)


お向かい出店のアンティーク雑貨店「TSUBAKI」の店員さん二人目ご来店♪
わりと素直(?)に縁結びに由来したお話にしてみました。
そういえばこうやって摩耶山でいろんな方に知り合えるのもホントに「縁」なことだなぁと思います。
ちなみに、書きあがった作品を読んだ感想第一声は「この神社に行きたい!」でした(笑)
私も行きたい!(笑)

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

即興MENU#3-037「医ノ話」
即興3-37_医

 どんぐりを、小さな手がそっと、差し出した。

 これしかないの。瞳でそう伝えてくる。

「かまわんよ。それじゃあここで待ってなさい」

 顔をおおうほどの白いひげを生やした老人は、おだやかな笑顔でそう言うと、隣の部屋へ入っていった。

 小リスの母親の足には、するどいトゲが刺さっていて、まわりが痛々しく腫れていた。
 老人は慣れた手つきですばやくトゲを抜き、消毒をすると、薬草をすりつぶしたものをぬりこめて、葉っぱでくるりと包帯をした。

 森の動物たちは、木の実やとった魚を持って、老人をたずねてくる。
 病気やケガを、治してもらうお礼なのである。

           * * * * *

 その昔、森に住みついた仙人が、修行でその地をはなれる時に、森の木に自らの化身を移していったと、いわれている。
 長い長い間、仙人の化身は、森とそこに住まう生き物たちを見守り続けた。

 仙人の宿った木がその寿命を終える、最後の日まで、病やケガを治してやったのだった。

 枯れた木には、いつの間にかひびが入り、そこからは樹液が少しずつ流れ出ていった。
 それはいつまでも止まることがなく、万病に効いたという。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

【作品DATA】

本日の創作メニューは「どんぐり」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “どんぐり”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(漢字ノ話・五十三次シリーズ)

[お客様]…初来店の男性
[お題]…医(い)
[創作日]…2011年10月15日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)


前回の闇リュックでお隣で出店されていたチャイ屋さんが、ご来店♪
医療関係のお仕事をされているからということでお題は「医」です。
森の動物を治すお医者さん、のお話にしてみました。
今回は、書き出しを<どんぐり>にしているためか、森の描写がどのお話にもよく出てきます~

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

即興MENU#3-036「鞄ノ話」
即興3-36_鞄

 どんぐりが一つ、鞄の底にころがっていた。

 旅から戻り、荷物を出して片づけをしていた時に気がついたのだが、まあどこかでまぎれ込んだのだろうと、指先でつまんで窓から放り投げた。

 一ヶ月ほどして、天気のよい日だったので、鞄に風でも通しておくかと、押入れから引っぱり出してきて、留め金をはずして開いてみた。
 そこにはまたどんぐりが一つ、ころりと横たわっている。

 おや、と思う。

 たしかに前は捨ててしまったはずなのに。
 さては、実は二つ入っていたということだろうか。

 指先でつまむと、今度は捨てずに手の平に置いてみた。
 驚いたことに、どんぐりは私の手の上で、ぴょこりと立った。しばし左右にゆれていたが、そのうちにある一つの方角を示して、斜めにかたむいた。
 まるで方位磁石のように。

 見ているうちに私はむしょうに旅に出たくなった。
 足元に置いた鞄に荷物をつめこむと、どんぐりの示す方へ出発したのだった。

           * * * * *

 それからも時々、私はどんぐりと鞄を持って、旅をしている。
 鞄の内ポケットに、小さな仕切りを作り、そこがどんぐりの居場所となっている。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

【作品DATA】

本日の創作メニューは「どんぐり」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “どんぐり”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(漢字ノ話・五十三次シリーズ)

[お客様]…Sさん(女性)
[お題]…鞄(かばん)
[創作日]…2011年10月15日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)


お知り合いの事務所のお名前にちなんでのご依頼です。
トランクを表す漢字で、ということで、鞄です。
旅先を示す旅磁針のようなどんぐりと鞄の出会いのお話。
お買い上げいただいた作品はそのお知り合いの方にプレゼントとして手渡されました。
プレゼント用に「物語」を選んでいただけるというのも書き手としてはとても嬉しいことです。
トランク的なお話、お楽しみいただけたでしょうか。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

即興MENU#3-035「椿ノ話」
即興3-35_椿

 どんぐりを両手いっぱいに持った子供たちが、小屋にやってきて行列をなしている。
 拾ってきたどんぐりを、中で作業している親たちに渡し、かわりにお菓子をたっぷりともらって川のほうへ遊びにゆく。

 小屋の中では村の大人たちが集まって、手際よく仕事を進めている。
 どんぐりを布でみがく、傷のあるものとないものに分ける、つるつるになった実は、奥の大きな壷に入れられて、大きなしゃもじでかきまぜられる。
 三日三晩、しっかりとかきまぜられた実は、どんどんと光沢を増し、最後には黄金に変わるのだ。実は村の大切な財源だ。

           * * * * *

 壷の中には、椿油がたっぷりと入っている。
 村で育てた椿から、採ったものである。

 村で実ったどんぐり、村で作った椿油、村の秘蔵の大壷、どれが欠けても、金のどんぐりはできない。

 よその村がマネをしようとしたこともあったが、この村の人が村の中でやらなければ、うまくいかないのだった。

 今年作った黄金の実で、よいものから百個が選ばれ、椿の園に運ばれる。
 来年、よい油がとれるように、根元にすべて埋められるのだ。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

【作品DATA】

本日の創作メニューは「どんぐり」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “どんぐり”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(漢字ノ話・五十三次シリーズ)

[お客様]…TSUBAKIの店員さん(女性)
[お題]…椿(つばき)
[創作日]…2011年10月15日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台

(摩耶山リュックサックマーケットにて)

お向かいで出店されていた灘・六甲にあるアンティーク雑貨店「TSUBAKI」の店員さんからお店のお名前でお題をいただきました。
椿油でどんぐりが黄金になる錬金術的世界。
椿の肥料にもなる黄金のどんぐり。
村では黄金のどんぐりを装飾品に加工して生計をたてているのかもしれません。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。