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書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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兄弟の即興話〜「三七三ノ話」
瓶詰め兄弟 三七三ノ話


 弟の年れいは、三百七十三才です。
 そう、三百七十三。うそじゃないですよ。

 私? 私は十三才。
 だから弟は私よりも三百六十才も年上になってしまうんだけど、
 でもやっぱり弟なの。

 だってね、見た目はほら、七才か八才くらいでしょ?

 弟の世界は私たちとはちょっとちがうの。
 ここにいるんだけど、弟はとってもとっても時間がはやくに過ぎてしまう世界にいるみたいなの。

 私よりも三百六十年分、たくさんの時間をすごしてきた弟は、私よりもずっとずっとたくさんのことを知っているの。

 だから私が困っている時や、悩んでいる時や、迷っている時には、いつも助けてくれる。

 あなたには見えるかしら、弟が。
 私が大好きな、神様みたいな弟。
 あと何百年かしたら、きっとホントに神様になってしまうかも、しれないわ。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
このお話は、
中川紺 物語作品展「瓶詰め兄弟の本棚」の催事にて、
お客様より数字のお題をいただき即興創作したものです。

□執筆日:2014.2.23
□お題:373
□書き出し:弟


改めて読むとこの「私」がある意味かなり普通じゃない感覚ですねw
まあ、私の物語の登場人物は、おおむねどっかのネジが必ず外れているか入れ替わっているかするのですけどね(笑)
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テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

兄弟の即興話〜「七ノ話」
瓶詰め兄弟 七ノ話


 兄がいつも話してくれたのは、

「七つの湖」のこと、
「七つの山」のこと、
「七人の勇者」のこと、
「七つの城」のこと、などなど。

 とにかく兄は七という数が大好きで、いや、大好きなのではなく、兄の中には数字はただ一つ「七」しか存在しないのではないのか。

 そんな錯覚すらおぼえたのです、私は。

 しかしどんなに兄が七にこだわろうと、そんなことは私には大した問題ではありません。

 私にとっては、妹を大切にしてくれる、頭のよい、やさしいやさしい兄であることに変わりないのです。
 そして、お話を語らせたら、きっと世界一。私の中では、いつも。

「今日はね、七冊の本のお話をしよう」

 兄が言います。
 四番目の兄の声でした。

 兄の中には、七人の「兄」がいるのです。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
このお話は、
中川紺 物語作品展「瓶詰め兄弟の本棚」の催事にて、
お客様より数字のお題をいただき即興創作したものです。

□執筆日:2014.2.23
□お題:7
□書き出し:兄


七人それぞれの「兄」のお話をスピンオフ?で書いてみるのも面白いかも、などと思ったり。
「七つの〜」の各物語も書いてみてもいいなと思ったり。
こうやって増殖分裂の気配をみせる物語。
物語は生き物だ、とふと感じるのはこんな時。

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