
箱をあけると、百円玉が入っていた。少し特徴のある汚れ方をしたその硬貨が、一体どういうものなのかは、すぐに思い出した。
* * * * *
最初は百円から始まった。次は五百円、その次は千円になり、もうその次からは、自分のおこづかいではとても間に合わない額になった。
そう、ボクはあいつらのいじめの格好の標的になっていたのだ。
箱の中には、他にも小石が一つと消しゴムが一つ。
あいつらに投げてやろうとしても、結局できなかった石、おどされるままに万引きした消しゴム。
でもボクは決心したんだ。
もうあいつらと決別することを。
そのために、まずこの消しゴムを店に返しに行こうと思う。
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中身をすべて出した箱の底には、鏡があって、のぞきこむボクの顔がうつっている。
その表情は、たしかに昨日とは違うと、思えた。
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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】
本日の創作メニューは「箱の中」
お客さまの選んだ材料で、
箱にまつわる短いお話を
お作りします。
それは、
今日限りの、小さな物語。
[お客様]…Nさん(男性)
[お題]…「ゆ」のつく言葉 → 勇気
[創作日]…2008年5月17日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)
Nさんが好きな言葉だそうです、「勇気」。笑 ←笑ってすいません。でも知り合いなので許してくださいませっ。w
「勇気」で「いじめられっ子」の話を書いているのは、多少短絡的ではあるのですが、今回は本文の中にタイトルの単語を一切使わないという方法で作ってみました。最後に箱の底に鏡を仕込んでみたのは、個人的には気に入ったオチです。
ほら、何かを決心した時って、絶対目や表情に変化がでますし。
NさんはWEB公開を待って読まれるとのことで、実はまだ完成作品をご覧になられてません。
さて、いかがでしたでしょうか?w
ちなみに誤字も無くすみました。よかった。。。
テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

