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書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
即興MENU#2-018「サングラス」
即興2-18_サングラス

 芽が出た子供をまた見つけた。
 左肩のあたりから、小さな双葉が生えている。まあこのサングラスをかけてないと、見ることはできないのだけれど。

 私は上司にそのことを報告すると、早速子供の身辺調査を始めた。あとは言葉巧みに親に話をもちかけ、私たちが所属する、表向きは英才教育センターなる施設に、子供を入れるように誘導すればいい。
 
           * * * * *

 特殊なサングラスを通して見える芽というのは、将来、何か世の中に革命的な行動をおこすであろう子供たちに生えている。
 芽が出た子供というのは、皆、何かしら特別な才能がある者たちであり、芽が育ち花が咲くまでうまく子供を教育すれば、それこそすごい才能が開花するのだ。国のすべてをひっくり返すほどの……。

 私たちの仕事は、彼らの芽をつぶすこと、である。センターに入った子供たちは、成績こそ上がれど、持っていたはずの才能は消し去られて出ていく。いい学校に入るので親は文句など言わない。
 そうやって革命戦士が一人、また一人と、消えていく。

 大人が作り上げたこの平穏な世の中を、変えるような悪の芽は、つんでしまわねばならぬのだ。

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これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「芽が出た」
 お客さまの選んだ材料(=持ち物)で、
 “芽が出た”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。

[お客様]…Tさん(男性)
[お題]…サングラス
[創作日]…2010年5月15日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
摩耶山リュックサックマーケットにて)


いつも山でペタンクを楽しんでおられる常連のTさん。
今回はある意味とってもシンプルなお題「サングラス」です。
山の上はとても気持ちよく晴れていたのですが、なぜか物語はちょいブラックになってしまいました(笑)
こういうのも、たまにはよいかと。
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