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書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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即興MENU#3-047「暑ノ話」
即興3-47_暑

「めがね…だよな?」

 男は、それを手にとると眺めまわして、ひとりごとをもらした。
 丸い板を二つつなげたような形はたしかにめがねのようだったが、不透明な板なので、かけても向こうが見えそうにはない。

「あれかな……日食めがねというやつかな…」

 旧家の蔵で、ぐうぜん見つけたそのめがねを男はその場でかけてみた。
 すると。

           * * * * *

 ピラミッドと砂漠である。
 ラクダの群れも遠くを歩いている。

 そんな風景が、めがねの向こうに見えたのだ。
 驚いて外すと、またおそるおそるめがねをかけてみる。
 すると。

 ゾウの群れが目の前を横切って、思わず腰をぬかしそうになる。
 その景色はどう見てもサバンナである。

 次に見えたのは、照りつける太陽の下の青い海と空。

 めがねをはずして、ふう、とため息をつく男の額は、汗でぐっしょりとぬれている。

「どうやら、暑い国しか、見えないみたいだな…」

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「めがね」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “めがね”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(漢字ノ話・五十三次シリーズ)

[お客様]…回文屋アリクシさん
[お題]…暑(しょ・あつい)
[創作日]…2012年5月19日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)


リュックで書き物お仲間な回文屋さんからお題をいただきました。
(私も、回文屋さんに注文して、物々交換ですw)
暑い異国ばかりが見えてしまうメガネ。
これからの季節にはちょっと不向きかもしれませんけど、冬の寒い時に見たら、多少は暖がとれるでしょうか?(笑)
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