書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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即興MENU#3-050「筆ノ話」
即興3-50_筆

 めがねが、人気である。

 しばらく前に、メガネ男子だの何だのが流行ったこともあったけれど、そういうものとは違って、本当にめがねそのものが人気なのである。

 最近では、ほとんどの人が、複数のめがねを使い分け、服を着替えるように、毎日めがねをかけ替えるのである。

 もちろん人類が皆、視力低下で……という話ではなく、むしろ医学の進歩で目が悪い人の方が少なくなってきたほどである。

 めがねフレームのデザイナーは、今や人気の職業で、数多くのデザイナーによる様々なめがねが、市場に出まわっている。
 その中で、最近、特に注目されているフレームデザイナーがM氏である。

           * * * * *

 M氏の工房は公開されていない。
 M氏そのものも、男か女か分からない。
 表には絶対、姿をあらわさないのだ。

 工房の中でM氏は、姿勢を正して筆をとる。
 そしてするすると半紙に筆をすべらせる。

 そこに描かれたのは、新しいフレームデザインだ。
 その半紙を水に浸す。すると、たちまちのうちにフレームは実体化するのだ。

 不思議な筆と、M氏のセンスと能力は、今日もまた新しいめがねを作り出していく。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「めがね」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “めがね”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(漢字ノ話・五十三次シリーズ)

[お客様]…Sさん(女性)
[お題]…筆(ふで・ひつ)
[創作日]…2012年5月19日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)


こちらも贈答用のお話です。
筆に関わるお店(お仕事?)をされている方へ贈られるとのこと。
さて、このドラえもんの道具のような便利な筆。
M氏の能力がすごいのか?あるいは筆職人がすごいのか?
実のところはどちらもすごくて「能力がある人が使わないと筆の力は発揮できない」という設定です、私の中では(笑)
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