書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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即興MENU#4-18「おはぎ」
おはぎ

 赤い実がころんと出てきた。

「おばあちゃん、これ見て」

 あやこが小さな手のひらに丸い実をのせて見せた。

「おや、あやちゃん、これはおはぎの神さんからのおくりものだわ。ええもんでてきたわ」

「おはぎの神さん?」

 かじりかけのおはぎと、実を見比べながら、あやこは不思議そうな顔をしていた。

「そうや。これはな、神さんにごあいさつにいかなあかん。あやちゃん、おばあちゃんと一緒に裏の神社に行こうか。そしたらきっとええことがあるよ」

「うん、行く」

           * * * * *

 あやことたえばぁは、連れ立って出かけた。
 神社に着くと、おはぎの中から出てきた赤い実を供えてお祈りをした。

 そうして家に戻ると、先に台所に入ったあやこが、わぁ!と声をあげた。

「どうしたの」
 とたぇばあがのぞくと、残っていたおはぎが倍に増えていたのだった。

「あらぁ、ええことあったね、あやちゃん」
 と言うと、あやこはにっこりと笑って「うん」とこたえた。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「赤」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “赤”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(食卓五十音シリーズ)

[お客様]…初来店の女性
[お題]…おはぎ
[創作日]…2012年9月15日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)


ちょっとほんわかした感じで書いてみました。
日本むかしばなしあたりには、いるかもしれません「おはぎの神様」w
倍に増えるならば、残りをなるべく多めにしておく方がおトクだよなーとか、ヘンな計算を思わずしている私に、神様は来そうにないですけど(笑)
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