書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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即興MENU#4-19「わらびもち」
わらびもち

 赤いってどういうことだ?

 オレはまゆをひそめて心の中でつぶやく。

 目の前にあるのは、食べようと思ってさっき買ってきたばかりの、わらびもちだ。
 きな粉をたっぷりとまぶした大好物のわらびもちだ。

 だがしかしだ。
 ちょっと席をはなれた間に、黄色いはずのきな粉が、なぜかまっ赤になってしまっているのだ。

 とうがらしをこぼした、なんてわけではない。
 ほんの少しだけ舌先でなめてみたが、味も香りも別に変わったところはない。普通のきな粉だ。

 色だけが、普通ではなかった。

           * * * * *

 どうしてくれよう、オレの楽しみのわらびもち。

 でも色以外大丈夫なら食べてみようか。うむむ。

 しばし目をとじて考え、次に開いた時、きな粉はいつもの黄色い粉に戻っていた。

 ふと庭先に目をやると、葉が少しだけ紅葉している。
 きな粉もちょっと秋の気分を味わいたくなったかな。

 そんなことを思って、わらびもちを口に入れた。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「赤」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “赤”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(食卓五十音シリーズ)

[お客様]…Rくん(小学生男子)
[お題]…わらびもち
[依頼日]…2012年9月15日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)


紅葉するきな粉………我ながら突っ込みドコロ満載ですが(笑)、あの紅葉の美しさをちょっとマネしたくなる他の植物作物の気持ちってあるんじゃないかしら、とか思って書いてみました。
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