書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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即興MENU#4-20「くえ鍋」
くえ鍋

 黄色い物体を見ながら、魚は思った。

「はて、ここにこんなものがいつのまに」

 いつもの散歩道に黄色い看板が立っているのだ。
 昨日までは無かったはずなのだが。

 これは、まあ、あれだ。
 魚が作ったものではあるまい。
 ということはだ、人間が置いていったということになるわけで。
 となれば、このよくわからないものの意味は一体ぜんたい何だろう。

 大きな魚は黄色い看板を前に、ぐるぐるとおよぎながら考えた。

 そうだ、あれを見てみるか。

 海の底には人が落としていった本や雑誌がたまっていた。

 ふむ、ふむ、ふむ、ふむ。

 魚は本を読んでいく。
 ちょっと分かったふりをして、大きくうなずいたりする。

「よし、つまりこれは、こっちへ行ってはならないという、注意看板というものだな。じゃあ散歩はあちらへ……」

           * * * * *

「かかったぞ!でかいぞ!おい、こいつはあれじゃないか、幻の魚っていう……」

いつもとちがうところへ迷い込んだ魚は、その夜、おいしいくえ鍋となったのだった。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「黄色」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “黄色”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(食卓五十音シリーズ)

[お客様]…回文屋さん(男性)
[お題]…くえ鍋
[創作日]…2012年10月20日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)


くえに関する私の手持ち情報がとてもとても少なくて、「幻の魚」という高級?魚だということのみで、勢いで作ってみましたww
「中途半端な知識は身を滅ぼす」みたいな教訓がありそうですが、それほど深く考えてたわけでもなくて。えっと……運が悪かったんですよね、この魚(^^;

回文屋さんのブログ
偶然の図書館の別館
http://biblioteca88.blog69.fc2.com
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