書く人・紺の短編作品と書き物雑談。猫好き、本好き、空想好き。写真と言葉と夢から紡ぎ出す、ささやかな物語。
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即興MENU#4-21「プリン」
プリン

 黄色が……いい黄身の色だわ…。

 彼女はうっとりとボウルをながめる。
 そしていそいそ、うきうきと、調理をはじめる。

 できあがったものは、とろとろつるつるの、プリンである。
 香ばしいカラメルソースをかけて、できあがり。

「ああもう、またやっちゃったわ!」

 誰もいない家の中で、一人声をあげる。

 本当は、彼女は夕食のおかずにだしまきを作ろうとしていたのだ。
 それ、なのに……。

「どうしてこうなっちゃうのかしら…」

           * * * * *

 意を決して、ある診療所を訪れた。

「……というわけで、卵を見ると、どうしてもプリンを作りたくなってしまって。そりゃ好物ですけど、卵料理が他に何も作れないのは困ってしまいます、先生。どうにかならないですか?」

 うーんと悩んだ末、医者はある新薬を出した。

           * * * * *

 数日後のことである。

「先生! プリンはなおりました。ありがとうございます。
 でもトマトを見るとどうしても……」

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -(完)
これは即興で書き上げた掌編作品。
お客様に「材料」=お題を決めていただき、
短時間で「調理」=作品化するという実験的試み。
実際は原稿用紙等に手書きしたものを、
テキスト化してweb上で公開しています。
明らかな誤字でない限り、書き上げてからの手直しはしないのが原則。
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【作品DATA】

本日の創作メニューは「黄色」
 お客さまの選んだ材料(=漢字)で、
 “黄色”ではじまる短いお話を
 お作りします。
 それは、
 今日限りの、小さな物語。
(食卓五十音シリーズ)

[お客様]…つるのさん(女性)
[お題]…プリン
[創作日]…2012年10月20日(土)
[創作場所]…摩耶山 掬星台
(摩耶山リュックサックマーケットにて)


この作品、実はお客様のお名前(つるのさん)が偶然挿入された形になりました。(探してみてください♪)
もちろんオーダー時にはお名前など伺ったわけではなく、本当にまったくの偶然なのですが、読んでこのことに気づいてわざわざまたお店に立ち寄ってお知らせくださいました。こんなこともあるんですねぇ。
お客様以上に私がテンションあがっちゃった感じです!w

追記:
手書きのオリジナルの方には、うっかり「黄身」を「黄味」と書いてました(汗)
誤字が出るのも即興ならでは……とか言ってちゃダメですね。
以後、気をつけますっ!w
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